英語教師による英語教師のための情報シェアの場「達人セミナー」通称「達セミ」をご存知ですか。毎週のように自発的かつボランティアで全国各地にて開催され、それぞれの授業方法を公開しシェアしています。基本的には中学・高校の教師の方々が中心ですが、その授業には英語を楽しく学ぶヒントがたくさん隠されています。その中から毎号1名の先生にレポートしていただきます。
今回のヒントはこれ:
福島県双葉町立双葉中学校
埼玉県加須市立騎西中学校
松本涼一 先生
私が初めて「映画で英語」に出会ったのは、中学生のときです。ビデオに録画した「Stand by Me」(名画です)を見ているときに、ふとリモコンの二重音声ボタンを押してしまいました。すると今まで日本語吹き替えであった映画が、急に英語音声になって驚きました。生の英語を聞く機会がほとんどない田舎の中学生にとって、英語で映画を見ることは何となく背伸びをした感じで、その後何度も英語音声で見たのを覚えています。
現在はビデオではなくDVD(またはBlu-ray Disc)の時代となりました。ビデオと違い、DVDには音声や字幕の切り替え機能がありますので、「映画で英語」学習には最適の教材となります。私が普段行っている、DVDを活用した英語学習の手順は以下のようになります。
スタジオジブリの作品は子どもに人気があります。ジブリ作品のDVDには英語音声や日本語字幕がついているものがあります。小さい頃から何度もテレビで見て、内容がよくわかっているこれらの作品を英語音声で視聴すると、案外すんなりと頭に入ってくることに気づきます。
例えば、「となりのトトロ」の冒頭で、お父さんが畑仕事をしている人に、“Sorry to bother you.”「手間をとらせてすみませんが」と言っていますが、これは日常会話でよく使う表現です。私はトトロでこの表現を覚え、同僚のALTに何かお願いをするときにはいつもこれを使っています。
インターネット上には、trailerと呼ばれる映画の予告編がたくさんあり、無料で見ることができます。どれも2,3分の長さで、その映画の一番面白いところを見ることができますのでお得です。アップル社のHPでは、様々な予告編を探すことができます。(http://trailers.apple.com/trailers/)
私はALTにスクリプトを書き出してもらって、授業でディクテーションの教材にしています。
みなさんも、洋画で、邦画で、予告編で、英語学習してみませんか。
松本涼一先生によるTOEFLメールマガジン63号「教わったようには教えるな | 達セミに学べ」の寄稿文についてはこちら