TOEFL メールマガジン

留学経験者インタビュー

バックナンバーはこちら

留学経験者に留学のきっかけ、その国、その学校を選んだ理由、何を得てどう活かしているかなど実体験をインタビュー。今回は、 “英語で勉強ができるアジアの国”を自身のキーワードに、大学の交換留学制度を利用して香港中文大学に留学をされた、創価大学4年生の曽我 晴香さんにご寄稿いただきました。

曽我 晴香さん

曽我 晴香さん
創価大学法学部在学中。
大学2年次には学内の子王冠留学制度を利用し、香港中文大学への長期留学を経験。
卒業後は日系総合電機メーカーで勤務予定。

なぜ留学したのか

将来は海外で多様な人達と働きたいと考えていたため、夢に近づく一つのステップとして、留学を決意しました。幼い頃から、海外に関するドキュメンタリー番組を見たり、本を読むことが好きで、世界の地域によって異なる文化や習慣に興味がありました。高校時代には2週間程のホームステイを経験し、現地の生活様式や異なる価値観を知ることの面白さを肌で感じ、漠然とですが、将来は海外で仕事がしたいと考えるようになりました。そこで、大学入学時に<将来海外で働く力を付ける>という目標を立て、そのために必要なこと、今だから挑戦できることを箇条書きにしました。その一つが留学でした。また、ホームステイを通して、“外国に友人を作ることで、その国で起こっている問題が身近になる”と実感していたので、将来は世界中に友人を作りたいと考えていたことも、留学の決め手となりました。

なぜその国、その大学、その学部を選んだのか

アメリカにホームステイをした際、欧米の文化にも興味が湧きましたが、一方で日本を含むアジアの文化や習慣についても知りたいと感じました。そのため、留学先としては“英語で勉強ができるアジアの国”をキーワードに、イギリス植民地だった歴史から英語も公用語となっている香港を選びました。大学の交換留学制度を利用したので、留学先は香港中文大学と決まっていましたが、大学周辺に自然が多く、世界中から来た留学生の住む寮がある点が魅力的でした。留学先では一つの学部に所属をするのではなく、様々な学部の授業を受けることができ、私は主に中国社会学を学んでいました。日本では国際政治や世界の憲法典について勉強していたので、留学先で香港と中国の経済情勢、政治、文化、歴史といった様々な分野を学び、日本とは違う視点から物事を捉えたいと考えていました。

TOEFLテストが何点以上必要で、どんな勉強をしたのか

大学が行っている交換留学制度の出願に当たり、TOEFLiBT81点を目標に勉強をしていました。勉強法としては、通学時間を利用してアルクのテキスト(リーディング、リスニング対策用)を説いていました。また、リスニングに関しては、BBCニュースや講義内容のpodcastなどをディクテーションに利用していました。音声を何度も聞いては、聞こえた内容を紙に書き写し、空欄がほとんどなくなってから答え合わせをした後、その紙を見ずに音声を復唱できるまで練習するという方法です。時間がかかり、回り道のように思えても、リスニング力の向上に最も効果的だったと感じています。ライティングとスピーキングに関しては、大学でネイティブの留学生と友人になり、会話の相手や添削をしてもらうことで、正しい言い回しを学び、ボキャブラリーを増やしていました。

留学中のエピソード

香港は飲茶発祥の地であり、家族や友人と集まることを大切にする文化があります。私も授業が早く終わる日は友人とお茶に出かけたり、休日は香港人の友人宅に招かれて、家族の方達と会話を通して、香港について学んでいました。香港というと100万ドルの夜景やアジア屈指の金融街として有名なので、クールな都会をイメージする方も多いかもしれません。しかし、市場や食堂が多くある下町地域も多くあり、実際にはとても人情に溢れる街です。そのため、英語が通じない場所でも、ジェスチャーや片言の広東語で地元の人との交流を楽しむことができました。また、留学中は留学生寮に住んでいたので、香港、中国、韓国、タイなどアジア圏の方だけでなく、フランス、ロシア、チェコや南アフリカなど世界各国に友人を得ることができました。時には寮内で日本料理教室を開催するなどして、友好を深めることも多くあり、帰国してから時間が経てば経つ程、かけがえのない時間だったと思える有難い経験でした。

留学したことでどんな影響があったか(留学で得たもの)

世界の様々な国にできた友人、語学力の向上、海外の暮らしに適応する自信など、留学を通して得たものはたくさんありますが、その後の生活で心がけるようになったことは大きく2つあります。1つ目に、議論や物事に対して自分の意見を持つようになったことです。私が受講していた講義は、欧米圏からの留学生が多く受講していました。日本では教授が講義を行い、学生はその内容をノートに取るという授業が未だに多いと感じていますが、欧米の大学では学生が意見や質問を教授にぶつけ、それらを通して議論を発展させていく授業が主流なのだと実感しました。留学当初はそのスタイルに慣れず、議論の行方を追うだけで精いっぱいでしたが、次第に慣れてくると、自身が自分の意見をきちんと持っていないことに気づき反省しました。それからは、ただ情報をインプットするだけでなく、自身の意見や立場、そう感じる根拠を明確にするために、授業を通しての感想や更に調べたい点をノートに書き込むなどして、アウトプット型の思考ができるように心がけています。2つ目に、日本に関する勉強をするようになったことです。留学生との会話の中で、日本について質問されてもうまく答えられず、反省することも多かったため、帰国後は改めて日本史を学びなおしたり、日本文化検定の勉強、古都巡りなどを行っています。今後も茶道や華道といった教養分野や時事問題、ビジネスモデルなどを学び続け、海外の人と話す時の引き出しを増やしていきたいです。

卒業後、帰国後について、今後の展望

帰国時は大学3年次の始めだったため、授業と平行して就職活動を開始しました。留学中、海外の方から「我が国で、日本製品の品質には絶大な信頼がある。」といった言葉を聞き、誇りを感じた経験から、“日本のモノづくり力を世界に発信したい”という思いが強くありました。様々あるモノの中でも、留学中に東南アジアの新興国を訪れた際に、インフラ整備の重要性を肌で感じていたため、人々の生活基盤を支える製品を扱いたいと考えていました。卒業後は日系の電機メーカーで働くことが決まったので、今後も語学を磨き続けると共に、経済や法律といった分野も勉強し、世界を舞台に活躍できる女性になりたいです。

これから留学を考えている人へのメッセージ

「何のための留学なのか。」留学に向けて勉強している時、留学中に悩んだ時、いつも立ち返るのはこの言葉でした。留学の目的は人によって違い、どれも優劣はつけられない大切な考えだと思います。しかし、留学を通して私が実感したのは、“語学や留学は手段であって、目的ではない”ということでした。世界には紛争や不便さといった問題が未だ多くあり、地域間の格差や環境破壊のような新たな問題も起こっています。“留学によってどのような力を付け、将来誰に貢献したいのか”という明確なビジョンを持ち、みなさんが充実した留学生活を送ることが出来るよう、心から応援しています!

-CIEE海外ボランティア 曽我晴香さんインタビュー記事はこちら

▲このページのトップへ戻る▲