今年TOEFL iBTを初受験したという社会人の女性読者の方より、体験レポートをご寄稿いただきました。これから受験する方はぜひご参考にしてください。
また、TOEFLメールマガジンでは、体験談等のご寄稿を随時募集しています!
(はじめに)
TOEFLテストは「留学に必要な試験」、言い換えると、「留学しないのであれば受ける必要のない試験」と考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。私も受験するまではそのように考えていた一人でした。しかし、今回初めてTOEFL iBTを受験してみて、その考えは変わりました。自分の英語力を知り、本当の英語力を身につけるという点において非常によくできた試験ですし、またぜひ受けてみたいと思える試験です。私の体験レポートでは、TOEFLテストをご存じない方やまだ一度も受けたことがない方に、私の受験経験をお話ししながら、TOEFLテストが留学されない方にとっても「価値のある試験」であることについてお伝えできればと思います。そして、少しでもTOEFLテストを受けてみようと思っていただく機会になれば幸いです。
学生時代にオーストラリアで1か月ホームステイしたのが、初めての海外経験です。その後社会人経験を経て、再びオーストラリアに渡り、約2年間の留学を経験しました。
留学予定のない私が受験をすることになったのは、仕事上、英語に触れる機会が多く、またTOEFLテスト受験経験者もいて、その方々からの勧めがあったからです。これまでReading、Listeningを測る試験は自主的に受けてきましたが、正直なところ、SpeakingとWritingは避けてきました。しかし、心のどこかで、2技能だけでは自分の本当の英語力を知ることはできないと思っていたところもありました。おそらくこのような機会がなければ、今もまだ一歩を踏み出せずにいたと思いますので、4技能を測定できるTOEFLテスト受験に背中を押してもらえたことに感謝しています。
初めての受験でしたので、まず、TOEFLテストを作成しているETSという団体のウェブサイトで、TOEFLテストの構成や内容を理解することから始め、その後、公式問題集を利用しながら受験準備を進めました。公式問題集は、Reading、Listening、Speaking、Writingの各セクションの問題に関するより詳細な説明と、過去問題を用いた練習問題で構成されています。実際に問題に取り組んでみると、その文章量や多岐に亘るトピック、それに伴う語彙数は想像以上で、集中力を持続するのは難しいと感じました。また特にSpeaking、Writingにおいては、英語を使うことに慣れていないこと、つまり使える英語という意味でのレベルが低いことを痛感させられました。ショックではありましたが、受験準備を通じて本当の自分の英語レベルを知り、今後、取り組んでいくべきことが明確になったことは非常によかったと思います。
当然のことではありますが、「集中力」の一言に尽きるかもしれません。先述のように問題に対する「集中力」はもちろんですが、受験会場の雰囲気に負けない「集中力」もかなり重要であると思います。
TOEFL iBTはコンピュータを使って受験するテストで、テスト開始前には必ずSpeakingテスト用のマイクチェックがあり、受験者が実際に声を出してマイクの確認を行います。試験は、Reading→Listening→Speaking→Writingの順番に実施されますが、一斉スタートではなく、受験会場到着順に開始されます。そのため、同じ会場の受験者が同じセクションをしているとは限らず、Readingテスト時に、周りでマイクテストやSpeakingテストが行われている状況はごく当たり前です。事前にそのような環境であることは聞いてはいたものの、これまで静まりかえった会場での試験しか経験したことのない私には、やはり周りの音や声が気になり、集中できない時もありました。しかしどのような状況でも、平常心で試験に臨めるかどうかも実力の一つであるように思います。そのように考えると、このような会場はむしろ望ましいのかもしれないと思いました。
約4時間半の試験は、終わると疲れを感じるくらい長い試験ではありますが、試験中は時間の長さがそれほど気にならず、セクションによっては短い、足りないと感じることもありました。受験準備は決して十分とは言えませんでしたが、問題により、自分のペースが乱されるようなことがなかったのは、事前に問題の構成や内容をきちんと理解していたからだと思います。また冒頭でも述べました通り、受験を終えた今、もう一度TOEFLテストを受験したいという気持ちになっています。もちろんスコアの問題もありますが、それだけではありません。TOEFLテストの準備を進めていく中で、単に英語力そのものだけでなく、様々なトピックを通じて知識が広がり、SpeakingやWritingにおいては論理的思考力が鍛えられるなど付随して得られるものがたくさんあります。またそれらも、本当の英語力を身につけることをサポートし、英語を使うことへの自信や、英語が使えるようになることにつながっていくように思うからです。
おわりに
私はTOEFLテストを受けたことで、自分の英語力向上に向けて大きな一歩を踏み出す機会を得ることができました。まだ受けたことがない方には、TOEFLテスト受験をぜひご自身の英語力を見つめる機会にされることをお勧めします。