このコーナーでは、教育関係の皆様に耳よりの、CIEE日本代表部が主催・参加したセミナーやイベント等についてレポートします。
今回は、昨年全国4ヶ所(札幌・東京・名古屋・福岡)で開催された英語教員向けTOEFL iBT教授法ワークショップ”Propell”のご紹介をさせていただきます。
国際教育交換協議会(CIEE)日本代表部
TOEFL事業部
部長 根本 斉
TOEFL iBTが導入され約7年が経過しようとしていますが、日本人のTOEFL iBT Tのスコアはそれほど伸びているとは言えません。ETSは、毎年、前年の全世界の受験者のスコア概要をまとめたスコアデータサマリーを例年4月以降に発表していますが、その結果によると、2009年−2011年のスコアの推移は、2009年67点、2010年70点、2011年69点となっています。
TOEFL iBTへの取組みをよりよく理解するために、ETS が一昨年より日本で行っているのが、「Propell」とよばれる英語教員向けワークショップです。このワークショップではETS公認のトレーナーが、実際のTOEFL iBTの問題や答案のサンプルを用いながら討論形式で行います。TOEFL iBTの問題は様々な観点から検討・デザインされた問題が出題されますが、問題の意図を十分に理解し取組みを行うことで、受験者にとって効果的な準備をさせていくことができます。
また、TOEFL iBTを理解することは、単に、TOEFL iBTへの準備というだけでなく、様々な英語の授業に応用できる要素が多々入っています。文科省が改訂した新たな学習指導要領(高校)では英語で英語を教えることを基本に、と記載されていますが、このワークショップの内容は、高校の英語教育現場でも十分活用いただける内容となっています。
Propellは含まれる内容により、いくつかの実施形態がありますが、通常は午前午後の1日で行います。テストの概要、問題の採点や採点基準の理解、基礎的なスコアリングの体験等をETSが作成した教材(テキスト、CD)を使用しながら行っていきます。また、トレーナーと参加者、あるいは参加者同士での意見交換を活発に行いながら、より効果的な指導方法を探っていきます。 参加者はその後も、トレーナーに質問等をすることが出来、また、ETSの作製したPropellの教材には、実際に使用された問題やそれに対応するサンプル答案例(スピーキング、ライティング)をはじめとして、実際の教育現場で使用できる教材が多数含まれています。
また、TOEFL iBT全体がカバーする4技能ではなく、一つの技能(例:スピーキング)に焦点をあてて、時間を短縮して行う形態もあります。
Propellはこれまで2011年は東京、京都、2012年は、札幌、福岡、名古屋、東京 などの主要各都市で実施してきました。本年は東京、関西、沖縄の3地区で開催予定となっています。詳細は本年4月以降、当CIEEのホームページにて発表の予定です。 各地区での多数のご参加をお待ちしております。