本コーナーは41回を迎える今号が最終回になります。長い間ご愛読いただき誠にありがとうございました。 今号も俳人 灯声こと中村忠男さんに日本語・英語のバイリンガルで俳句の魅力・楽しさを解説いていただきます。季節感あふれる一句と、季語や句への思いがどう英語になっていくのかを是非お楽しみください。
灯声(中村 忠男氏)プロフィール
1950年生 東京大学法学部卒
1972年 日本航空入社
1978年 ジョージタウン大学大学院国際関係修士
2006年~2010年 日航財団常務理事として俳句事業などに携わる
俳誌「春月」同人
国際俳句交流協会(Haiku International Association)会員
My lofty ambitions
written in the application
the first gale of early spring
(解説)
春一番は、立春を過ぎて最初に吹く強い南風のこと。気象予報でもよく聞きますし、以前キャンディーズの歌にもありました。元々は能登や壱岐などの漁師が使っていた名前が一般化したもので、荒々しく力強い風です。生命が目を覚まし動き出す春、荒々しい風が吹く中で、高い志をアプリケーションに書き入れたという句です。就職にしろ学校にしろ願書には高い目標が必須ですね。春一番に乗って遠くまで飛んでいく、そんな高揚した気持ちをイメージしていただければうれしいです。
4年あまり続いてきたこのコーナーもこれで最終回となります。少しでも英語と俳句に興味を持っていただけたら幸いです。俳句・HAIKUの世界でまたお会いできることを願っています。有難うございました。