TOEFL Mail Magazine Vol.49
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TOEFLテスト何がかわるの?
はじめに:インターネット版TOEFLテスト(TOEFL iBT)とは
 2006年、TOEFLテストが大きく変わります。「インターネット版」、'iBT(Internet-Based Testing)'という言葉から、「自宅で好きな時間に受験できるの?」「インターネットを自由に使用できるテストなの?」という疑問を持たれる方もいるかもしれません。しかしそれは違います。TOEFL iBTでは、受験者は決められた日時にテスト会場に出向き、割り当てられたコンピュータでテストを受けます。テスト中にインターネットを利用することもありません。従来のテストとの違いは、問題内容・構成の変化、能力の測定方法の変化、ということなのです。TOEFL iBTはReading, Listening, Writing, Speakingの4技能を総合的に組み合わせ、実際のコミュニケーション能力を測る新世代のテストとして誕生しました。このコーナーでは、TOEFL iBTの特徴をひとつずつ取り上げながら紹介していきます。新しいTOEFLテストを正しく理解し、万全に準備をして臨んで下さい。TOEFL iBTであなたの真の英語運用能力を試してみませんか?

TOEFL iBTの構成(約4時間)
スコア(0〜120)

Reading
(60-100分)

アカデミックな長文読解問題(3〜5題)
TOEFL CBTに類似した内容に加え、新しい出題形式の問題

ReviewやGlossaryなど、受験者に便利な新機能

0〜30
Listening
(60-90分)
講義形式の問題(4〜6題)
複数人数による会話の問題(2〜3題)
TOEFL CBTに類似した内容に加え、新しい出題形式の問題
0〜30
Speaking
(約20分)

-身近なトピックに関して口頭で解答する問題=Independent Task

:2題
-読み、聞いた内容に関して口頭で解答する問題 =Integrated Task
(Reading、Listening、Speaking):2題
-聞いた内容に関して口頭で解答する問題 =Integrated Task (Listening、Speaking):2題

0〜30
Writing
(約50分)

-読み、聞いた内容に関して文章で解答する問題=Integrated Task (Reading、Listening、Writing):1題、20分
-身近なトピックに関してエッセイを作成する問題=Independent Task :1題、30分

*解答はタイピングのみ、手書き不可。

0〜30

第6回(最終回):ワンポイント・アドバイス
 最終回の今回は、TOEFLテストの新しい特徴に焦点をあて、今までとは違うTOEFLテストに効果的に向かう方法を考えていきましょう。

従来のTOEFLテストとの大きな違いの一つに「note-taking(メモをとること)が可能」ということが挙げられます。note-takingについては様々な方法・攻略法がありますが、最終回の今回は「TOEFLテスト 何が変わるの」のシリーズをこれまで参考にしてくださった皆さんに、英語教師がお勧めする効果的なnote-takingを提案いたします。あくまでも一つの方法の紹介ですが、皆さんがTOEFL iBTを難なくクリアしてくれますよう、また、「十分に成果が出せた」「また受験したい」と思っていただけるよう、CIEEからエールと共にnote-takingの方法を贈ります。

【note-takingについて】
 TOEFL iBT では、テストを通してnote-taking、つまりメモを取ることが可能です。
従来のTOEFLテストでは、試験中テストブックに何も書き込めず、考えの整理などができず、リスニングにおいては記憶に頼らなくてはなりませんでしたね。TOEFL iBTでメモを取ることが可能になったのは大きな変化です。得点アップにつながるよう、note-takingの方法をしっかり勉強し、自分のものにしておきましょう。学生の方は、普段の講義でこのnote-takingを習慣づけておきましょう。
 note-takingは効果的におこなうと、好結果を生みます。しかし、慣れていない状態でメモを取ろうとしても、集中力の妨げとなり、マイナスの作用を生み出す可能性も否定できません。情報の整理や記憶の助けとしてのnote-takingをするには、note-takingそれ自体にも訓練が必要なのです。安心感を与えてもらうだけでは得点にはつながりません。
それでは、大きく(1)Listeningと(2)Speaking/Writingにわけ、それぞれのnote-takingを考えていきましょう。

(1) Listeningセクションにおけるnote-taking

 note-takingの方法にもいくつか種類がありますが、Listeningセクションで行うnote-takingは「キーワード法」が適切でしょう。これは単語やキーフレーズを書きとめるというものです。ポイントは、簡潔に、そして分かりやすく書きとめること。名前や日付といった細かい情報を書きとめ、書きとめた単語からイメージが湧くようにしましょう。数字を英語で矢継ぎ早に言われると分からなくなってしまうことは、学習者にはよくあります。リスニングに出てくる数字の情報を正確に書きとめるには、普段からの習慣が大事です。学校で、会社で、何らかの数字を耳にしたときは、すかさずそれを英語で書きとめてみる、といった地道な訓練をしてください。日付や時間などの情報が盛り込まれている英語を聞く時は、時系列にまとめて書きとめていると後から分かりやすいでしょう。時間に関してのみならず、流れを持ったメモを作ることが非常に大事なのです。また、全体として、接続詞や定型表現などのsignal words(合図語)に注意を払いましょう。話の流れを示す語をつかみ、その展開を推測しながら話を聞くと、頭の中で情報を整理でき、話の全体像やポイントが見えやすくなります。リスニング中は画面から目を離さないことも忘れずに。画面上に表示される語句、黒板の画像上で示される単語などは、必ずメモをとることを忘れないで下さい。これはクラスルームにおける実際の授業でも同じことですね。
 TOEFLテストのリスニングは、ネイティブスピーカーの話す速度そのままであり、一般的な英語試験問題や教材用の英語のようにゆっくり話されているわけではありません。情報を漏らさず書き取るには、単語の省略形を使ったりすることも非常に重要なテクニックの一つです。情報を記号化して書き取ったりする練習も必要でしょう。手を動かしている間にも英語はどんどん話されていて止まってはくれないのですから、そのスピードについていく工夫が必要なのです。
重要な情報を整理しながら漏らさずポイントを聞き取るためのnote-takingは、実際の留学生活が始まった時に多いに役立つことでしょう。日本の学校では、「ノートをとる」のは黒板をそのまま写す、という受身の姿勢であることが多いのではないでしょうか。TOEFLテストの勉強をされている皆さんはもう意識していることと思われますが、アメリカを始めとする英語圏の学校では、受身の姿勢では授業についていけません。「聞く」ことそれ自体もアクティビティであり、積極的に聞く、つまり情報を整理しながらまとめていかなくてはならないのです。TOEFLテストでnote-takingに慣れ、実際の講義で生かしてください。

(2) Speaking セクションとWritingセクションにおけるnote-taking

 Speaking とWritingのセクションでは、与えられた設問に対する自分の意見や考えを論じ、述べていきます。ここでのnote-takingは、自分が回答として話す(書く)ものの下書きです。日常生活で作業やプロジェクトに取り掛かる場合、事前に計画を立てるのと同じように、SpeakingやWritingセクションでも、実際に回答を始める前に計画を立てることが重要です。計画なしに書くと、主張も根拠もぼけてしまいます。この計画が「アウトライン法」というnote-taking、つまり文章(Speakingの場合は話す原稿)の骨格を組み立てることなのです。
まず、全体の構成を図で示しましょう。大きく分けて何段階になるかを考え、それぞれの段階がどのような情報を含むか、という論理の展開を下書きしましょう。下書きはあくまで大枠で構いません。その枠組みにそって、書いたり、話したりしていきましょう。まとまった「形」になるはずです。
 計画なしに、意見がぼんやりとした状態で書き始めたり、話し始めたりしてはいけません。SpeakingセクションとWritingセクションでは、note-takingでアウトライン、下書きをいかにしているかで出来上がりが全く変わってきます。
 Listeningセクションにおけるnote-taking同様、Writingセクションにおけるnote-takingも、実際の留学生活で役に立ちます。授業をこなすということは、何本ものペーパー(レポート・論文)を書いて提出することです。TOEFLテストでしっかりと「前もって計画を立ててから書き始める」ことを身につけて下さい。


【集中力、体力勝負のiBT】
 TOEFL iBTは合計時間が4時間にものぼります。途中10分の休憩を挟みますが、かなりの集中力と体力が必要です。ただし、最初のセクションがReadingであることから、英語脳になった状態で、続くListeningに突入できます。これは従来のTOEFLテストよりも受験者にとっては好都合だといえます。集中力を維持するためには、「今そこにある問題」だけを見ることです。既に終わった設問を考え直したり、振り返ったりしていては、時間も足りなくなり、集中力もとぎれることになってしまいます。一定のスピードのリズムに乗って問題を解いているようなスタンスを保ってください。


【おわりに】
 最後になりますが、TOEFLテストはあくまでも留学生活の入り口、そして国際人として英語を使いこなすようになるための一歩です。確かに目標の点数は出さなければなりませんが、点数を取ることだけが目的、とならないようにしてください。本当に大切なのは、TOEFLテストはあなたが国際人として英語を使いこなせるようになるための手段の一つだということです。TOEFLテストの向こうには、憧れのキャンパス、大好きなあの外国、そして国際舞台で活躍するあなた自身がいることを決して忘れないで下さい。


【TOEFL iBT教材のお知らせ】 
 「TOEFLテスト何が変わるの?」のシリーズは今回で終了です。さあ、後は実際に自分で勉強するだけです。ここでETS公認TOEFL iBT公式ガイドブックのお知らせです。下記ページでは指導者むけの教材もあわせてご紹介しております。是非ご利用ください。詳細はこちらから。  

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