それぞれのSELHi指定校は特色のある研究課題を設定しています。目標とする生徒の英語力は「読む・聞く・話す・書く」という4技能を駆使して自分の考えを発信できる力です。これはまさに北米大学が留学生の入学要件として期待している力であり、インターネット版TOEFLテスト(TOEFL iBT)はこの要望に応えるために開発されました。そのため、日本の英語教育とTOEFLテストの方向性は同じであると考えます。 本シリーズでは、指定を終了した学校にその学校ならではの成果に焦点を絞りそのエッセンスを報告していただくことを予定しています。高等学校のみならず、中学校・大学、更には小学校の教員の皆様にとっても有益な情報源となるものと期待します。同僚の先生方とも情報を共有し、皆様の授業改革の一助となれば幸いです。 今回は、Can-Doグレードの開発など、特徴的な取組で成功した福岡県香住丘高等学校から、永末温子先生にご寄稿を頂きました。
永末温子(ながすえ はるこ) 北九州市立大学外国語学部米英学科卒業。教職歴25年。平成6年度文部科学省「中等教員派遣事業」にてオーストラリアヴィクトリア州に派遣され、日本語教育に携わる。平成15年度〜平成17年度文部科学省スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)第2期校指定校・福岡県立香住丘高等学校における研究主任・教科主任。
またSELHi研究指定終了後これらのCDSから各グレードにおいて代表的な項目を選択し、学習者に記述をあらためた上で、学習者向けのチェックリストを開発した。CDSは各学年での学習段階を示すための指針であると同時に、学習者にとっての学習段階を認識するための道具として機能することができる。 CDS開発において、重要であるのは開発そのものでなく、その後の実際の運用をとおしてCDSの検証を行い、生徒の英語力との整合性を検討しながら、さらに改善していくことであり、その検証のプロセスが、3年間を見通した学習指導体制をさらに強化し、学習者自身が、学習段階をより明確に認識することにつながると考えている。
資料2: Kasumi Can-Doグレード