参加者の語学レベルによって、このLanguage Exchangeから得たものは異なったように思います。日本で英語を学び、一対一で継続して20分も会話をしたことが無かったという学生は、「文法であったり、時制であったり、冠詞であったり、こういったことは英語において確かに重要である。しかしそれを意識するあまり英語が怖くなるのでは本末転倒である。華美流麗な英語を話す必要はない。身振り手振りも時に交えながら、意思を伝えようという強い気持ちをもつ。これが一番重要であり、これさえ出来れば基本的な英会話は出来る、と気付いた」、「完璧な英語をしゃべる自信がなくても、通じることがわかった」とコミュニケーションを図ろうとする意思の重要性を認識したことに対してコメントしています。更には、「相手の顔の表情、ジェスチャーを見ながら話せること。教材や大学の授業のように“受け身”で覚える英語ではなくリアルタイムの意見交換を通じてスピーキング、リスニングを鍛えることができた」、「英語の授業に比べて、質問にしろ議論にしろ、肩の力を抜いて自然な形で出来る。英会話においてこのことは非常に重要なことであり、その意味で有意義だと思った」、「現地の人と話すことによって、自分が経験していなかったことなどについて議論をすることができた。向こうの人の価値観と自分の価値観の比較をすることができた」、「このプログラムがなかったら、恐らく一生知り合えなかった人と友達になれた」、「現地の学生の方とメール交換をする仲になれた」、などが良かったとコメントしています。
活動は4週間と短い期間でしたが、外国語学習の言語面においても効果は見受けられました。セッションに4回参加した4名の日本人学生に対して行った、セッション参加前と後のオーラル・インタビューのデータを比較した結果、測定した流暢さ(fluency)、正確さ(grammatical accuracy)複雑さ(lexical and syntactic complexity)において全て統計的有意な結果となりました。
このOnline Language Exchangeのメリットとして、外国語を使ってコミュニケーションを図るということに対する自信、自分の抱える課題の明確化、他国の学生との交流の機会、そして更には言語面における効果が挙げられます。また、学生の主体性を重んじた活動としても非常に有意義な内容となりました。
【Online Language Exchangeのようす】 |