TOEFL®テストの勉強にNHK英語講座を利用している方も多いのではないでしょうか?その理由は、毎日英語に触れる習慣をつけたい、英語を楽しく学びたい、講師の話がおもしろい、などさまざまでしょう。今回は、そのようなみなさんのニーズに答えるべく多種の番組を放送し続けている、NHKエデュケーショナル語学部の伊藤氏にお話を伺いました。
この春からの番組に関しては、「NHK英語講座 公式ガイド2007」をご覧下さい。
英語の試験で満点を取る人の中には、ユーモア溢れる素晴らしい英語をしゃべれる人もいるし、全然しゃべれない人もいます。自分の気持ちを明確に言葉にし、相手の言いたいことをくみとることができない人は日本語でもできないですよね。純粋な「語学能力」のみならず、コミュニケーション能力に優れているかどうかも関わってきます。そうなるともう、予想する知識とか教養とか、人間関係の調整能力、人の目を見て話せるか、言葉の裏が読めるか、など全て含めた「人間力」にまで発展してくるのではないでしょうか。 ちょうどラジオの“ものしり英語塾”という番組で放送しているような、多角的に「英語」にアプローチする力。「あいつは英語の文法も発音もあまりうまくないけど、サウスダコタやウィスコンシンがどこにある、とか全部知っている」とか、「スタインベックの小説の題名を全て原文で言える」など、そんな知識も含めて全て英語力なのかもしれません。 私も学生の時、英語が特別できたわけではないですが、好きな音楽の話であれば英語でコミュニケーションをとることができたことをおぼえています。 その頃、こんな経験をしました。友人たちと居酒屋で飲んでいたとき、女性店員がコップに触れた瞬間にひびが入って割れたことがありました。彼女が「失礼しました」と言って、新しい飲み物と別の料理をもって来た時に、私の欧米人の友人たちは彼女のことを”Midas touch”だと言って一同盛り上がったのですが、私は「”マイダスタッチ”って何?」と、笑うことができませんでした。後で調べたらギリシャ神話で「ミダス王が触ったものはみんな金になる」ということでした。その時私が感じたのは、彼らと同じような感性でジョークを言い合ったりするには、その文化の根底をなしているものを知っている必要があるということです。日本語でいいので「聖書」「ギリシャ神話」「マザーグース」「イソップ」「アンデルセン」ぐらいはしっかり読んでおかないと、洒落や冗談にもついていけないのですから。それも、ひとつの英語力かもしれませんね。