長野高校におけるSELHi3年間の大きな収穫の1つに、地域の学校との信頼関係の構築が挙げられる。SELHi指定以前にはなかった、相互の授業見学や公開授業・研究協議、そして河内長野市を挙げて取り組んだイングリッシュフェスティバル(市内スピーチコンテスト)や出張ワークショップなどを通して、地域の学校の先生方と様々に交流する機会を持つことができた。小学校における先進的な英語教育の取り組みで全国的に有名な梅本龍太教諭は、本校の地域を巻き込んだ取り組みに対して「学校のカベ」を打ち破ったと評して下さった。【写真:河内長野市イングリッシュフェスティバル】
また次のようにも述べておられる。
「長野高校の働きかけのおかげで様々な「カベ」が打ち破られてきたようです。そして、これからその「カベ」の向こう側に新たな「創造」が存在するはずです。3年間という指定は1つのくくりであって、本当に面白いのはこれからではないでしょうか。最後に、11年前、私と当時のNETとの会話を、感謝と希望の気持ちを込めて記したいと思います。」
“Our curriculum is like a baby. We have to help it grow!!” |
真に「『英語が使える日本人』の育成」をめざすならば、小学校、中学校、高校そして大学がカリキュラムや指導方針について情報交換しながら議論する必要がある。昨年実施した本校SELHi最終年度研究発表会のパネルディスカッションにパネラーとして参加して下さった、関西大学の齋藤英二先生は、小・中・高・大学にまたがる「グランドデザイン」の必要性、すなわち、従来異なる校種間で断絶していたカリキュラム・シラバスを含め、少なくとも6・3・3年の計12年間、あるいは大学まで含めた16年間を見通した英語教育の効果的なあり方について検討することの必要性を強く説かれていた。
同じ目標のもと、地域の教員が校種や地域の「カベ」を打ち破り力を合わせて頑張ることが、生徒の英語力、ひいては学校のそして地域の、最終的には日本の英語教育力を高めていくことにつながるのだと思う。
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