A Holistic Approach to English Learning ―癒しのEnglish
杼原 均(トチハラ ヒトシ)
神奈川県横浜市生まれ。京都外国語大学英米語学科卒。
2001年、英国エジンバラ大学にて文部科学省英語教員海外研修(12ヶ月)を経て2005年バーミンガム大学MA (TEFL/TESL)を修了。文部科学省検定教科書、和英辞典の編集に携わる。現在、三重県立飯野高等学校教諭で、「辞書活用」「語彙指導」に力を入れて指導中。英語の原動力として、BBC UK CHANNELSを毎日欠かさず聞いている。
憧れの英国エジンバラに来て、6ヶ月。この頃になると夢のような胸躍る日々が過ぎ、異国の地のアラが目立ち出す頃だ。「日本なら…なことは無い!」ということが続くと、そのストレスが心に重く積み重なっていく。一方、英語漬けの生活をしていても自分自身の伸びが実感できない。そんな時、キャンパスでたまたま1枚のチラシが目に留まった。
"You and yourself − developing self-esteem
part T"
キャンパス掲示板を見ると多種多様な集いの案内が見受けられる。これは大学が主催するランチタイムグループの一つだ。そのチラシにImproving your self-esteem can help your confidence and ability to cope with the challenges of University lifeと書かれていた。「Self-esteem?」自分にとっては馴染みのない言葉であったが、大学に籍のある者なら誰でも参加でき、10人限定とあったので、さっそく申し込みをして参加してみることにした。
Self-esteemとは、よく「自尊心」と訳されているが、 OALD(OXFORD現代英英辞典) には、a feeling of being happy with your own character and abilitiesとある。つまり「自分の性格、能力を誇りに思いそれを活かしていける心構え」ということであろうか。高いセルフエスティームは、良い結果を出す原動力で、生活を活性化させ、生産性を向上させると考えられている。セッションの最後はコーディネーターの声を聞きながら目を閉じて静かに瞑想をする。時間が来るとそれぞれの世界(教室)へ戻っていった。まさに新しい世界に足を踏み入れたという感じがした。そして回を重ねるに連れて、身も心も軽くなっていった。