教師自身の意識改革も容易ではなかった。長年培ってきたことを変えることは本当に大きなエネルギーがいる。最終的に英語科の教員の全員がSELHiとの距離が同じになったかというと疑問符がつくが、9名プラスATE(Associate Teacher of English)3名の英語科教員が、全員で何らかの形で関わることにはとにかくこだわった。全てのミーティング、公開授業や文科省の実地調査などは常に英語科全員参加で臨んだ。SELHiまでにすでに全英語科教員による会議に関しては、大学進学に必要な英語力を確認するテスト、そして入試作成のため年間最低20回程度ミーティングを持っていたことがミーティングへの抵抗感をなくさせていたと思われる。余談ではあるが、テスト作成に英語科を挙げて関わることは、知らず知らずのうちに互いが学びあうとてもよい研修の場になっていたことには間違いない。
具体的には2年ではDebateを取り扱う。本校では2年生全員が1学期に日本語でのディベートを行い、最終的には1泊の校外学習の中で学年チャンピオンを選んでいる。その経験を活かしての英語でのDebate活動である。このDebateは高山西高校での取り組みを、本当によいお手本として参考にさせていただいた。3年の前半ではDebateの論題を個人の問題として掘り下げて、自分のホームページを作成し、自分の意見を表明する活動、そして、後半では’Business Plan Contest’を行っている。これは関西学院大学が大学生と本校ならびに系列の高校生を対象に行っているもので、社会科が夏休みの課題に課して日本語で発表をする。それをE.I.の受講生は英語でパワーポイントを用いて発表するのであるが、多くの生徒が経済学部、商学部に進学する本校では生徒たちの関心が高い活動である。