SELHiとは、Super English Language High Schoolの略で、英語教育の先進事例となるような学校づくりを推進するため、文部科学省に指定された高等学校のことです。SELHiに指定された学校では、英語教育を重点的に行うだけでなく、大学や中学校等との効果的な連携方策等についての実践研究を実施します。また、研究目的・手法・成果の普及のため、公開授業や成果報告会の開催や、ホームページ上での情報提供を行うことになっています。
当初は正規のディベートのできるレベルを目指していたが、思うように生徒が動かず、2年目には焦りを感じていた。ディベートの基礎となる社会的な知識や論理的思考力もなかなか身に付かないことも原因の一つであった。しかし、運営指導委員の先生方から「ディベートの形式にあまりこだわらずに、英語で自分の意見を言うことができれば、それは十分研究テーマに沿ったことになるのでは」とのアドバイスをいただいたことが大きな転機になった。それまであまりにも形式にこだわりすぎていて、目の前の生徒の実態をよく見ていなかったのかも知れないと考えさせられた。
発信型スキルを向上させるために1年生でShow &Tell、2年生では1分間スピーチを取り入れた。特に2年生の1分間スピーチではテーマ毎に賛成、反対のそれぞれの立場から自分の意見を述べる活動を行った。テーマはHigh school should provide school lunch, やIt is better to live in Akita than in Tokyoなどであった。生徒の意見としては「違う視点からの意見を知ることができて楽しかった」などの意見が多く出され、少しずつではあるが生徒が育っていることを実感した。また教科書の内容に関しても常に自分の意見を述べる活動を入れるようにし、生徒の発信型コミュニケーション能力の向上を目指した。
また英語によるHR活動(SHR、学級日誌)やSELHiだよりの発行、英語による校内表示など、授業以外においても生徒の英語力の向上を目指し、様々な試みを実施した。
4. 公開授業の効果
平成18年度公開授業
2年次の平成18年には、方言をテーマに深沢志保教諭が研究対象クラスである2年英語科で公開授業を行った。教科書の”One Language or Many”という単元を学んだ後で、方言という身近な文化を題材に、自分の意見を英語で発表する生徒の姿に対して、県内外から来られた授業参観の先生方から多くの肯定的な意見や励ましの言葉をいただき、それまでのSELHi研究の方向性が間違いではないと実感することができた。