読者の皆さんのご要望に応えるべく登場したTOEFL iBT体験レポート。 実際に受験した人でなければ体験できないさまざまなポイントを連載でレポートしていきます。 寄稿していただくのは、これまでTOEFLテストを何度も受験し、現在も挑戦中のある大学院生です。 TOEFLテスト受験希望者には必読のシリーズです!
「ヘッドフォンをつけて、音量を調節して…」TOEFL iBT開始直前に行われるこの恒例の作業をする時、私はいつも自然と気が引き締まるのを感じます。TOEFLテストはアメリカで作られたテストなので試験問題や指示は当然アメリカ英語で話されます。私はアメリカに住んでいたわけではないのでアメリカ英語にあまり慣れていないせいか、集中してよく耳を澄まさないと聞き逃してしまうのではないかと無意識に少し緊張してしまうようです。それでも試験自体は、ゆっくり聞き取りやすいスピードで録音されているので、聞き逃すということは実際にはありません。TOEFL iBTではアメリカ英語だけでなく、イギリスやオーストラリア英語で話すListening問題もあるようです。
ある授業の一シーンや学生同士の会話など、留学先の大学でありそうなシチュエーションが出てくるので、その場面を想像してみるとなかなか面白いです。学生の質問に分かりやすいように先生方は答えるし、学生達は身振りが見えるのではないかと思えるほど感情をこめながら話すので、その光景が目に浮かぶようです。
しかし聞き取りやすくなってはいるものの、意味の分からないフレーズや単語が出てくる時がやはりどうしてもあります。「どういう意味だろう?どうやって綴るんだろう?」と思った時は、私はとりあえず声のトーンや話者のリアクションを聞いて、雰囲気を掴むようにしています。消去法で問題を解くので、私は実際にこれで大体は解くことができました。Listeningの最初のほうに出てくる意味の分からない単語も、後半部分で説明されることもあるので、最後までしっかり聞くのが一番です。
TOEFLテストでは短時間で、その受験者の「聴き取る力」を測ります。留学先でも、初めて聞く単語や言い回しが会話や授業の中で出てくるでしょう。先生が早口だったり、訛りがあったりする時もあります。(これは日本語で行われる授業でもあることだと思いますが…)そういう場合は直接相手に意味を聞いてみるのが一番ですが、前後の内容をしっかりと聞いていればその時は想像して答え、後で辞書を調べてみるということもできると思います。英語がうまい/下手に関わらず、聞き取れなかったり勘違いしたりすることは誰にでもあるので、そんなことはあまり心配せず、相手が何を伝えようとしているのかに集中することが一番だと思います。聞き取りづらかったらクラスの一番前の席に座るとか、先生と話す機会を設けその人の話す英語に慣れてみるとか、色々工夫することができると思います。
私は問題集のCDで練習してTOEFLテストの英語に慣れるようにしましたが、当たり前のことですが、普段から英語のニュースやドキュメンタリー、映画、ドラマ、歌やミュージカルに親しんでいれば、本場で心強いことは間違いありません。ああやって発音するんだ、そういう言い回しがあるんだという発見がたくさんあると思います。実際に自分で発音してみて、音を覚えるのも良いと思います。
ちなみにもう一つ付け加えると、英語や英語の文化には、日本のような「本音と建前」は無いと思われがちだと思うのですが、そのようなことは決してありません。英語にも皮肉や独特な遠まわしの表現がたくさんあります。話をよく聞いてみると実はジョークだったりすることもあります。そういうこと全部含めて、楽しみながら色々なものに耳を傾けるのが一番の上達法ではないでしょうか。相手が何を伝えようとしているのか、それを汲み取る力は、どんな言語を話していてもコミュニケーションの中では非常に大切です。自分が普段から人の話をよく聞いている人かどうかということもTOEFLテスト勉強中に分かるかも!?