僕がまだ学生だったある日、いつも世話になっていたクラブの先輩に「今日は金が入ったからいつものお礼に何かご馳走させて下さい」と申し出た。すると、その先輩はこう言った、「気持ちだけもらっておく。その金は後輩たちのために使ってやれ」と。先輩からもらった恩は、後輩たちへ返してやれということだ。それは僕がいた世界の伝統だった。すなわち、Pay it forwardである。
教員になりたての頃の僕は、何をやっても上手くいかず、ずっと1人で悩んでいた。そんなある日、達セミと出会った。経験と研鑽を積んだ力ある全国の先輩教師たちから、沢山の素晴らしい授業アイデアやマネージメントのヒントをシェアーしてもらった。長く独りで闇に立ち尽くしていた自分が、ようやく1歩、歩き出せた気がした。以来、その1歩が2歩となり3歩となるにしたがって、僕の目の前の風景は確実に変わっていった。
達セミでの出会いと多くのPay it forwardが、僕を確実に育ててくれた。初めての達セミから4年。僕はいま、達セミで、職場で、Pay it forwardする立場になった。出会いとシェアーが、ある人の1歩を紡ぎだし、それが新たなPay it forwardへと連鎖していく。要約すると、「達セミ」とはそんな営みに他ならない。
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