読者の皆さんのご要望に応えるべく登場したTOEFL iBT体験レポート。 実際に受験した人でなければ体験できないさまざまなポイントを連載でレポートしていきます。 寄稿していただくのは、これまでTOEFLテストを何度も受験し、現在も挑戦中のある大学院生です。 TOEFLテスト受験希望者には必読のシリーズです!
第4回 Speakingセクションの勉強方法や苦労した点、気づいた点
私がTOEFL iBTを初めて受けたとき、前回より点数が下がったのは、事前にSpeakingのセクションをまったく勉強していなかったせいです。なんにでもマイペースで、あがり症の私はあのSpeakingテストの「短時間で考えをまとめてスピーチをする」作業は苦痛以外の何ものでもありませんでした。タイマーが音を打つたびに頭の中が真っ白になっていき、実際に答える時には何を言うのか忘れて、言葉が口から出てきませんでした。これに答えられる人がいるの?と試験が終わった後、悔しがりながら不思議に思ったのを覚えています。その日の夜は、ニュースでインタビューに堂々と答えているスポーツ選手を見て、妙に感心していました。 しかし後で考え直してみたところ、私は「40秒で考えて、20秒で答える」ことだけに気を取られ、伝えようとする気持ちを忘れていたことに気づきました。TOEFL iBTのSpeakingセクションでは、留学先で誰しも遭遇するだろう場面が選ばれているので、まったく想像もつかないような質問が出るわけではありません。内容を理解することとそれについての自分の意見を自分の言葉で話して伝えることが大事であって、時間制限内に答えることを第一に優先すべきではありませんでした。もちろん時間オーバーは避けたいですが、聞く相手にとって分かりやすく話すこと、またそれがきちんと伝わるかどうかがこのセクションで問われていることだと思います。そう考えてみると、私は時間の許す限り話し続けて伝えようとしなければいけないことに気づきました。
実際にTOEFLテストの問題集のCDにもいくつかのサンプルが入っていますが、良い例のものを聞くと、多少の訛りがあっても、ゆっくりと簡潔にシンプルな言葉で話している人が一番しっかりと質問に答えていました。これに気づいてから再度TOEFL iBTに挑戦してみたところ、点数が上がりました。(前のスコアがひどかったので、あれより下がることは無かったと思いますが…)でも、このことよりも自分が満足したことは試験の中で自分の意見を伝えきったということでした。 質問に的確に答えるには、問題文の種類にもよりますが、最初に質問に対する答えを言い、次にその理由を1,2,3と並べて述べるというやり方が一番答えやすいと思います。問題文の中にはいくつかの質問が入っている時もあるので(例えば「○○についてAはなんと言っているか、Bはなんと言っているか、AとBのどちらに賛成するか、その理由は?」など)、質問がいくつあるのかを最初に把握して、「こういう順番で、こういうことを話そう」と大体のプロットを頭の中で組み立てます。タイマーはなるべく無視して話し続けると良いと思います。私は2回目の試験では、全体的に簡単な言葉でしか答えられなかったと思うのですが、20秒の時間はゆっくりと流れるように感じました。 留学先では授業以外にも、友達同士の会話の中で意見を求められることがあるでしょう。勉強や趣味のことについてもそうですが、文化や政治、歴史について話すこともあると思います。そのような時に何が一番役立つかといえば、普段からそういうものに関心を持つという心構えでしょう。自分が考えたこともないような事柄は答えにくいですが、普段から意識していることなら易しいはずです。テレビのインタビューで質問に答えている人も、自分の知っている分野だからこそ、しっかりと答えられるのかもしれません。 留学や就職の面接でも、この人はどれくらい真剣なのかというのを見極めるために様々な質問をしてきます。それは普段の自分の姿を見られているのです。面接とはまったく違うかもしれませんが、TOEFL iBTのSpeakingセクションでどう反応するかで、留学(もしくは就職?)に対する熱意も浮き彫りになってきてしまうのかもしれません。日本語でも英語でも、普段から自分の考えを言葉で表現できるようになりたいですね。お互いがんばりましょう!