TOEFL Mail Magazine Vol.72 October 2008
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TOEFL iBT 体験レポート

読者の皆さんのご要望に応えるべく登場したTOEFL iBT体験レポート。
実際に受験した人でなければ体験できないさまざまなポイントを連載でレポートしていきます。
寄稿していただくのは、これまでTOEFLテストを何度も受験し、現在も挑戦中のある大学院生です。
TOEFLテスト受験希望者には必読のシリーズです!


第5回
Writingセクションの勉強方法や苦労した点、気づいた点



留学先のロンドンで―― 大学のキャンパスの一つ
留学先のロンドンで――
有名作家が住んでいたHampstead Heath

 まだ始まって数年のSpeakingセクションとは違い、TOEFLテストのWritingセクションは昔からずっとありますが、私が毎回苦労するところです。海外の大学で評価対象となる論文や筆記試験を受けるほどの英語力があるかどうか…を測るので、私の推測ですがこのセクションがTOEFLテストの中で一番重要視されている気がします。他が選択問題なのに対してこれは自由表現をする問題ですし、またSpeakingセクションの短時間での勝負とは違い、ある程度じっくり考えて構成する時間(全体で30分)を与えられるので、より高度な知的レベルの英語が要求されていると感じます。

 私が通っていた海外の高校、また大学の授業では、小論文を書く際に特に英語で書く時に注意しなければならない点をいくつか教わりました。ある考えや問題の中のどの点を論じ(An argument)、どんな意見を持ち(Your own opinion)、それにはどんな理由(Reasons)があり、意見をサポートするためにどんな例(Examples)を取り上げるのか、それが一つひとつ、文章中からはっきり見えてこないといけません。また最初の段落から最後の段落までアイディア進展の流れが見えること、もちろんつじつまも合っていないといけません。そして読む人にとってインパクトのある内容でなければいけません。文章を書くにはこうした点に注意しなければ、何を伝えたいのかが分からなくなってしまうのです。

留学先で――
パリのEtoile公園

 では、論文を書くには何が必要か、今まで教わった中から、私が一番大事だと思うものを2点紹介したいと思います。まず、ごく当たり前で基本的なことですが、問題文をよく読んで、論文で書かなければいけない点を見極めることです。私の高校では生徒達はどの授業でも「質問は必ず最後まで読みなさい!」と先生たちに何回も言われました。論文の中でどの点に触れなければならないのか理解していなければ、いくら上手く書けていても質問にきちんと答えていることにはならないからです。

 もう一つは、考え付いた要点をとりあえず紙に書き出すことです。「文章を書く前には、必ず“ブレーンストーミング(Brainstorming)”!」という先生の言葉を思いだします。お分かりと思いますが、“ブレーンストーミング”とは、問題で取り上げられている事柄に対して自由な発想をすることです。(※この言葉には他に「会議の中でメンバーが意見や考えを自由に出し合って、優れた発想を引き出す方法」という意味もあります。)そして、そこで思いついたアイディアを思いつくままに箇条書きにしたり、図にしたりして、目の前に書き出すのです。紙に書き出すと色々と良いアイディアが沸きますし、せっかくの良いアイディアを忘れることはありません。書き出したらどのようにそれらがつながるかを見て要点を絞り、論文を組み立てるのです。

 TOEFLテストのWritingセクションでは、私は配られたメモ用紙にとりあえず思いついたキーワードだけざっと並べて書いています。問題文の質問事項を箇条書きにして、何がこの質問で問われているのかを確かめる時にも便利です。要点をまとめてから文章を書けば、筋の通った文章が書けるはずです。土台をしっかりと据えれば、後は肉付けだけだからです。このやり方に慣れれば、書き出さなくても頭の中でそれが瞬時にできるようになります。そうすれば、Speakingセクションでもこの方法が使えるでしょう。

 さて、その肉付けとして必要なものは何かと言うと、段落同士の流れを示す接続語やアイディアが生き生きとしてくるような語彙を使うなどの文章表現力でしょう。それは普段から英語の本を読んで蓄えた語彙の知識、英文を書いて養った自分の表現力を活躍させる場です。もちろん大げさな言葉を使う必要は全くなく、あくまでも自分の考えをよりよく伝える言葉を選ぶのが一番だと思います。シンプルでいて、面白みのある内容と文章…日本語でも難しいですが、普段から書き慣れていれば、本番に強いことは間違いありません。最後に、自分の文章を読み、結論が序文の趣旨と同調しているか確認することは絶対必要です。つじつまがあっていなければ、また、最後が締まっていなければ台無しだからです。

 Writingセクションは留学先での論文・筆記試験などで避けては通れない道ですが、文章で、特に英語で何かを伝えるのはチャレンジングであるという反面、自分の考えを自分の創造力・表現力を自由に駆使して披露できる場ではないでしょうか。それを通して、自分の世界を誰かと分かち合うことができるのです。


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