TOEFL Mail Magazine Vol.72 October 2008
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達セミに学べ

英語教師による英語教師のための情報シェアの場「達人セミナー」通称「達セミ」をご存知ですか。毎週のように自発的かつボランティアで全国各地にて開催され、それぞれの授業方法を公開しシェアしています。基本的には中学・高校の教師の方々が中心ですが、その授業には英語を楽しく学ぶヒントがたくさん隠されています。その中から毎号1名の先生にレポートしていただきます。

今回のヒントはこれ↓


YouTubeと訳本と原著で、英語学習!「映像を見たあとなら、英語がスラスラ、ラクラク読める!」
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埼玉県秩父郡小鹿野町立小鹿野中学校 瀧沢 広人(たきざわ ひろと)先生

瀧沢広人先生

◆まず、私が3年間、ベトナムで生活したときのことからお話します。私は1997年〜2000年の3年間、ホーチミン日本人学校に勤務しました。英語教師として赴任した私は、多くの同僚、家族から頼りにされます。しかし、その時思ったのは、「なんだ、俺は英語の生活用語すら知らなかったのか、、、」ということでした。多少の英会話は自信があったものの海外で生活する用語、また仕事で使うビジネス英語、ましてビジネス文書などは書いたこともありませんでした。時候の挨拶で始まる上司の文章を英語に翻訳するときに、「外国人はどうやって書き出すのか」「関係者各位ってどうやって書くの?」「銀行からレターが届いたけど、あなたのbalanceは、、、のbalanceって何だ?」英語教師である私の英語力に大変ショックを受けました。

◆そこで私は「ネイティブ英語」をテーマに、ネイティブ英語を学ぼうと思いました。生徒たちにも早いうちからできるだけネイティブが読んだり聞いたりしているものに接してほしいと普段から話しています。アメリカンジョークなどはその中でも興味を持ってくれる最適な素材といえるでしょう。しかしながら、私自身が利用するのはなんといっても「映画」です。楽しく笑えるもの「Twins」などは何度も見ました。また、聞き取れない箇所があると、外国人にそのビデオを見せ、なんて言っているのか確認したこともありました。メルギブソンの 「Ransom (身代金)」という映画では、お母さんが、アイハーダ、アイハーダ、アイハーダと、つぶやくように繰り返す箇所がありました。それが私には、何と言っているのかわからず、また、想像も付かず、結局、外国人に尋ねると、いとも簡単に、「“I heard her.”だよ」と教えてくれました。やっぱり外国人には聞こえるんだ、、、と自分の英語力にショックを受けたものです。「Flightplan 」「The Terminal」などもお勧めです。

◆さて、私がお勧めする勉強法。それは、「ネイティブ英語から学ぶ」ということです。1つは、「映画」があります。外国人が普通に話している英語を聞き取るのです。DVDでは字幕もでますので、文字を確認することもできます。2つ目は、雑誌「TIME」や「Newsweek」「週間ST」などを定期購読するということです。定期購読に意味があって、毎週毎週、新しいものが届きます。そこがいいのです。実際、TIME を購読し、読むと自分でも気づかないうちに、語彙力がすごくアップしていました。3つ目は、「洋書」です。洋書では、Sidney Sheldon の本が易しいのでいいです。高校生にも読めます。中学3年生でも楽しめます。4つ目は、「英字新聞」です。缶コーヒー1本の値段で買えてしまう英字新聞は、最高の学習法だと考えます。そして、その中の記事の1カ所を切り取り、「英語で要約してみる」のです。つまり、他人に伝えるように文書を書いてみるのです。また、話してみる。そして、そこに自分の考えを添えてみる。実は、これが私がお勧めする勉強法の2つ目なのです。

◆記事の1カ所を切り取り、それを要約するということは、また英語力とは別なところの技量になります。つまり、「日本語力」なのです。もし、日本語ですら要約できなければ、絶対に英語ではできません。実際、TOEFLのテストでは、「読んだり聞いたりしたことを“要約”して書く」という問題や「自分の意見や考えを書く」という問題があります。中身のある英語の話せる日本人になるためには、「日本語の力」は切り離すことの出来ないことなのでしょう。英語力とともに、論理的に伝える「日本語力」を英字新聞の要約から磨けるのではないでしょうか。

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