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ウガンダの女の子と一緒に |
私は2008年夏に、JICA横浜が主催する教師海外研修、アフリカ、ウガンダに参加する機会を得ました。ウガンダはアフリカの真珠と呼ばれるほど美しく、緑あふれる国です。道に生えているバナナを食べれば、人々は飢えて死ぬこともありません。つまり餓死者0の国です。
私はウガンダの中学校で日本文化に関する授業をしてきました。使用言語は英語です。もともとイギリスの植民地だったウガンダの公用語は英語なのです。現地のコトバはありますが、60近くある部族の言葉をまとめるには英語がやはり便利です。文字という文化がもともとなかった国なので、新聞は英語で書かれています。教科書もすべて英語です。
教室は掃除がされておらず、ごみが落ちています。電気もありません。机は3人がけのところを7人くらいでギュウギュウに座っています。黒板は石を単に黒く塗ったようなもので、チョークののりも良くありません。後ろの席に座る生徒はあまり見えていないでしょう。私はそんな窮屈な状態の生徒に、「この教室に必要なものはなんですか?」とたずねました。尋ねながらも、こんなこと聞いたら、嫌な思いがするかしら。失礼かしら。と不安でした。しかし、生徒たちは、そんなことなど気にせず、はい!はい!と勢いよく手をあげてくれました。当てると、もじもじしながら“fresh air”とか“ sun shine” など自然に関するものがあげられました。
なるほど、確かにこの暗い教室では新鮮な空気にふれたくなるよなぁ。と納得しました。
「他にあるかな?」と聞くと、“ignorance” と答えてくれた少女がいました。
私は、はっとして、脳にがつんと響き続きました。「ignorance= 知らないこと」そうだ、学ぶというときに必要なことは、知らないことを知る喜びなのだ。まさにウガンダのソクラテス少女の答えでした。「知らないことを知る喜び。」「知らない自分を謙虚に認めること。」これは英語学習者の私たちにとって忘れてはいけないことだと思います。
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