TOEFL Mail Magazine Vol.73 December 2008
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TOEFL iBT 体験レポート

読者の皆さんのご要望に応えるべく登場したTOEFL iBT体験談。
実際に受験した人でなければ体験できないさまざまなポイントを、
これまでTOEFLテストを何度も受験し、現在オーストラリアに留学中の大学院生に
連載でレポートしていただいてきました。
TOEFLテスト受験希望者には必読のこのシリーズもいよいよ最終回です!


第7回
最後に、海外生活で必要なこと



留学先のロンドンで―― 旧正月でにぎわう中華街。アジアの友達と一緒においしい中華料理を食べた。
留学先のロンドンで――
旧正月でにぎわう中華街。
アジアの友達と一緒においしい中華料理を食べた。

 第7回…ついに最終回となりました。長かったような、短かったような…書き始める前までは自分でもこんなに書くことがあるとは思ってもみませんでした。それでは、私のTOEFLテストと留学の体験記のまとめとして、海外に住むときの心構えについて3点書いて、この記事を終わりにしたいと思います。

 まず私が海外で必要だと思うものの1つ目は、当たり前なことですが、日本についてよく知っておくことです。日本の文化、歴史、政治などについて海外で出会う人たちは興味津々です。寮の談話室では友達とお茶を飲みながらよくおしゃべりしましたが、中国からの留学生たちは、私よりも日本の芸能人のことをよく知っていました。「日本の誰々がカッコイイよね、中国ではこんな俳優が人気だよ」と色々教えてくれました。また日本のどんな化粧品やファッションが良いかなどについても話しました。そして、もちろん歴史や政治問題についても話し合いました。海外では、特にアジアの留学生達とは、第二次世界大戦中のこと、靖国問題、教科書問題などについても話しました。こうした話は海外では避けては通れません。日本のニュースは、海外のどのメディアでも取り上げられるし、世界では日本の言動は注目されているからです。しかも「留学生は国の代表者としてあるべき」という考えはどこの国にもあるようで、皆、私の言葉を「日本人全体の考え」として見ているのです。自国についてよく知っておかなければいけないこと、また慎重に考え、答えなければいけないことを痛感させられます。日本で出来たとしても、海外では“I don’t know.”では済まされないのです。

 私が海外で必要だと思うものの2つ目は、周りのものに関心を持つこと、そして世界の動きに敏感であることです。またその他にもこんな映画が面白かった、あの店の洋服がかわいい、寮の食事がまずい、隣の部屋の人の音楽がうるさい、最近行った旅行の話など、話すことは尽きません。ことわざについて、それぞれの国のイメージについて、どうしてこの専門分野を選んだのかについて、人種差別や偏見について、信仰についてなどの幅広い話題がありました。旺盛な好奇心は、国内のみならず海外では常に必要だと思います。

 そして最後の3つ目は、自分の意見をしっかりと持ち、それを表現する術を身につけることです。その全てに、日本での普段の生活が反映されてくるのではないでしょうか。日本で自分は何を見、何を聞き、何を話しているのか、意識することはありますか?1つの出来事が、他の人や世界とどうつながっているのか考えてみたことはありますか?留学や海外生活によって、こういう感覚(=国際感覚?)はやがて研ぎ澄まされていくとは思いますが、結局は普段の自分の心がけ次第でその質も大きく変わると思います。

留学先のロンドンで―― Buckingham Palaceの凱旋門として作られたMarble Arch―でも馬車の出入りには狭すぎたため、現在の場所に移動させられたらしい。
留学先のロンドンで――
Buckingham Palaceの凱旋門として作られたMarble Arch―でも馬車の出入りには狭すぎたため、現在の場所に移動させられたらしい。

 英語を少し話して外国人と一時ワイワイ楽しみたいだけなら誰にだって出来るし、海外の観光先や国内の外人パブであればいつだって出来ます。そうではなく、せっかく留学や海外生活をするのであれば、そこで出会う人と人との濃いつながりを通して世界を見、広く深く、人間について考えることが出来るのではないでしょうか?様々なことを見聞きし、「良い生活」とは何かに気づき、そのために何をすればよいか話し合い、またそれに向けて共に働く意識を持つことは、“国際人”として当たり前のことではないでしょうか?

 これから海外で留学や仕事をしに赴く方、もしくはすでに滞在していらっしゃる方、皆さんがどんなものを見聞きし、何を感じるのか私はとても気になります。それを伝えて行くことが出来るのは、皆さんしか出来ないことではありませんか?皆さんが海外で得たもの、また日本で得たものを、世界に発信していくことが出来ますように。それによって世界も共鳴し始めるでしょう。今まで読んでくださり、ありがとうございました!


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