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達セミに学ぶ 英語学習のヒント

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英語教師による英語教師のための情報シェアの場「達人セミナー」通称「達セミ」をご存知ですか。毎週のように自発的かつボランティアで全国各地にて開催され、それぞれの授業方法を公開しシェアしています。基本的には中学・高校の教師の方々が中心ですが、その授業には英語を楽しく学ぶヒントがたくさん隠されています。その中から毎号1名の先生にレポートしていただきます。

今回のヒントはこれ:

  • 「英語で人とつながる」体験を
    ~身近な人と「2分間チャット」でつながろう!

広島県廿日市市立大野東中学校
平成20年度文部科学大臣優秀教員表彰受賞
道面 和枝(どうめん かずえ)先生

言葉には、人と人とをつなげてくれる役割があります。私の授業では、「英語は“使う”もの」を合言葉に、英語を使って人とつながる体験を多くさせたいと考え、さまざまな活動の場を提供しています。さらに英語学習の面から言えば、使う場面に出会うと「こう言いたい、こう書きたい。」というニーズが生まれます。このニーズ、すなわち「好奇心」が、生徒の英語学習の最大の動機になってくれると考えています。

今回は、英語を定着させながら人とつながるその活動例を1つ紹介しましょう。

「2分間チャット」~身近な人とつながろう!

「2分間チャット」とは、chit-chat cardと呼ばれる小さなカードを用いて、カードに書かれた話題を発展させながら、(中2で)2分間、英語でおしゃべりを続ける活動です。始めは2分間途切れることなく英語のチャットを続けるのは難しいのですが、チャットがうまく続いたペアの例をたくさん紹介し、話題をふくらませながらチャットを続ける「コツ」を生徒に「見つけ」させると、徐々に話が続くようになります。

chit-chat card

また、チャットは毎回、違う相手と行うようにしています。ふだん日本語でもあまり話さないクラスメイトでも、英語でチャットを行うことで相手の意外な一面を知り、”Oh, you like Hey! Say! JUMP! Me, too!”などと盛り上がる笑顔が見られます。

このように、ペアで協力しながら何とか2分間英語でしゃべり続ける共同作業は、学んだ英語を使いながら定着させることのほかに、相手と知り合う機会、人とつながる体験にもなっています。

『中2で楽しく会話が続く!「2分間チャット」指導の基礎・基本』道面和枝 明治図書(参考:『中2で楽しく会話が続く!「2分間チャット」指導の基礎・基本』道面和枝 明治図書

私たち英語教師が英語で人とつながる場面の最大の例は、ALTとのTeam teachingでしょう。私はALTと授業の打ち合わせをする際に、自分自身が準備した授業の目的(生徒につけたい力)と方法を説明し、アドバイスを求めています。意見が食い違うときは“Let’s negotiate!”これぞT-Tの醍醐味だと思います。また、新学習指導要領などを用いて日本の英語教育のゴールについて説明をしたり、疑問点があれば答えたりしています。

生徒は先生の様子をよく見ています。Team teachingで二人の先生がうまくつながって授業をしている姿は、きっと生徒の目には良いモデルとして映るでしょう。

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