TOEFL メールマガジン

俳句で一息 Haiku Time

バックナンバーはこちら

このコーナーでは俳人 灯声こと中村忠男さんに、世界で最も短い詩の形といわれる「俳句」について、日本語・英語のバイリンガルで俳句の魅力・楽しさを解説いただきます。
中村さんは、日航財団の常務理事として勤められるかたわら、世界に発信する文化として日本語・英語両方での俳句作りに取り組まれています。毎月の中村さんの季節感あふれる一句と、季語や句への思いがどう英語になっていくのかを是非お楽しみください。

中村 忠男氏 灯声(中村 忠男氏)プロフィール
財団法人日航財団 常務理事
1950年生。東京大学法学部卒
1972年日本航空入社
2007年より現職
ジョージタウン大学大学院国際関係修士(1978年)
俳誌「春月」同人

ランドセルまで合羽着て梅雨の朝

Raincoats covering
school backpacks as well
morning of the rainy season

(解説)

この句は、ランドセルまで一緒に黄色いレインコートを着て登校する小学生を詠んだもので、梅雨の朝によく見かけます。低学年の子には大きすぎるランドセル、それまで合羽で着込むと本当に背中が膨れて大変そう。思わず頑張ってと声をかけたくなります。ランドセルは、オランダ語を語源とする外来語。ただし、米国、カナダ、オーストラリア、英国などでは小学生に決まったカバンというものはなくそれぞれ好きなバッグを持ったり、また学校に教科書を置きっ放しにして手ぶらで通学するところも多いようです。従って、school backpackという言葉が日本のランドセルと同じイメージを伝えるわけではありません。文化が違うと言葉が同じ意味を伝えるとは限りませんね。

▲このページのトップへ戻る▲