このコーナーでは、TOEFLテストの実施運営団体であるETSのプロダクツをご利用いただいている高等学校・大学での導入事例を、現場の教室からお伝えします。
ETSプロダクツとは、TOEFL PBT(Paper-Based Testing)テストの過去問題を使った「団体向けTOEFLテストプログラム:TOEFLテストITP」や、インターネットに接続できる環境があればどこからでもアクセスができ、短時間で採点とフィードバックを自動で行う、ライティングの授業には欠かせない「ライティング指導ツール:Criterion」など、現在日本国内のみならず世界の教育現場の皆様に多くご利用 ・ご活用いただいているETS開発のテスト・教材です。
今回はCriterion、およびTOEFLテストITPを導入されている名古屋大学の福田眞人先生のインタビューをお届けします。
名古屋大学では、平成21年度より英語教育に関する新カリキュラムがスタートしました。
この新カリキュラムでは、学生の英語力低下と学生間の英語力格差を背景に、専門書を読み、論文を書き、また学会などで学術発表ができること、また、卒業して社会に出たときに種々の職場で仕事の道具として使いこなせることを目指し、その実現への方法として、(1)検定試験の一斉受験、(2)習熟度別コース編成、(3)eラーニング教材を用いた課外学習による学習量の増加、(4)パラグラフ・リーディング、パラグラフ・ライティング、プレゼンテーションを中心とした授業が行われることになりました。
そこで、習熟度別にコースを分けるために全入学生2,218名を対象に、2009年4月にTOEFLテストITP*、そしてCriterion を利用して、与えられたテーマの英作文を書く試験が実施されました。
今回はその推進役として中心に立たれた国際言語文化研究科福田眞人先生にお話を伺いました。
*名古屋大学では「TOEFL-ITP試験」と呼んでいるため、インタビュー内の呼称も「TOEFL-ITP試験」としています。
福田眞人(ふくだ・まひと)先生プロフィール
京都市出身
名古屋大学大学院国際言語文化研究科教授
東京大学大学院総合文化研究科修了(比較文学比較文化)
オックスフォード大学ウエルカム医学史研究所客員研究員
ハーバード大学科学史学科客員研究員
デリー大学客員教授などを歴任
名古屋大学の英語教育の基本姿勢として、学部教育、大学院教育において、English for Academic Purposes =EAPを習得してもらうということがあります。それは昔風に言えば教養課程の全学教育で、次に専門課程でその教育に上積みし、更に大学院ではEnglish for Specific Academic Purposes =ESAPという使用分野が特殊な学術英語を習得します。今回の新カリキュラムはその前の準備段階という位置づけです。