様々な世代の人々が様々な場で、生涯を通して何らかの形で英語にかかわって仕事をしています。英語は人それぞれ、その場その場で違います。このシリーズでは、英語を使って活躍する方にお話を聞き、その人の生活にどう英語が根付いているかを皆さんにご紹介し、英語の魅力、生涯にわたる楽しさをお伝えしていきます。英語はこんなに楽しいもの、英語は一生つきあえるもの。ぜひ英語を好きになってください。
吉田 秀樹(よしだ ひでき)氏
NHK「えいごであそぼ」プロデューサー
平成8年NHKエデュケーショナル入社
平成18年より現職
鈴木 佑治 先生
立命館大学生命科学部生命情報学科教授
慶應義塾大学名誉教授
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幼児のテレビ番組作りの舞台裏は比較対照言語学と意味論の世界です。といっても決して堅苦しいものではありません。英語のシナリオが書けても幼児に分かり易く目に見える形にするのは大変です。また英語と日本語の違いもあります。吉田さんが幾つか例を挙げていますが、一筋縄では行かないキーワードがたくさんあります。キーワード選択会議では、出席者から予想もしない興味深い質問が出てきます。一つ一つじっくり意見を出し合いながら決めていくのですが、これがとても楽しく時間はあっという間に過ぎてしまいます。「あそぶ」の名詞形は「あそび」ですが、日本語では深い意味があります。名工が詰めの作業をする時に、寸分たがわず固定せず敢えてある程度の余裕をもたせて「あそび」を作っておくことがあります。国宝級の木造建築の解説書を読むと、「あそび」がものづくりにいかに大切であるかがわかります。これらの建築は各所に「あそび」があり、そのため壊れずに永く立ち続けます。「えいごであそぼ」の番組作りにも微妙なところで日本的「あそび」の精神が生きているような気がします。