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獨協大学・飯島優雅先生
  • Criterion
  • 2018.03.20
  • 獨協大学経済学部経営学科 准教授
    全学共通カリキュラム英語部門
  • 飯島優雅先生

獨協大学の飯島優雅先生インタビューの後編になります。前編の内容はこちら

“表面的な文法や語彙よりも、全体的な構造や内容に焦点を当てるフィードバックができるようになった”

Criterion® の導入による変化

編集部:
Criterion®(クライテリオン)を導入することにより何が変わったと思いますか。
飯島先生:
ライティングへのフィードバックが、教員と学生同士からに加え、Criterionからも得られるようになりましたので、時間的な効率性だけでなく、フィードバックと書き直しの量と質も向上したと感じています。導入前と比べ、学生が主体的に書き直しに取り組みやすくなりました。授業では、どう書き直せばいいか学生同士がよく相談しています。お互いに持っている知識を共有して助け合っているわけです。そういうディスカッションの質の良さというのは観察できます。また一生懸命考えた上で教員に質問するので、質問の質も良くなりましたし、質問の数も増えたように感じます。また、Criterionをきっかけに、発展的に学習が促されているように思います。例えば学生から、同じ単語の繰り返しをCriterionに指摘されるがどうしたらいいか、という質問をよくされますが、トピックに関するキーワードの言い換えの仕方や程度、オンライン辞書などを賢く使って類語を調べる方法をクラス全体で考える良い機会になっています。
 
また、Criterionがカバーできない側面の指導に時間をかけられるようになったことも大きいですね。例えば、論展開の深まりは十分か、段落間の繋がりはスムーズか、論文にふさわしいアカデミックな言葉遣いで書かれているか、などです。文法や語法的には正確でも、効果的なライティングコミュニケーションになっているかについて学生の気づきを促すのは、やはり教員からのフィードバックの役割が大きいと思います。

Criterion フィードバック画面
▲ Criterion フィードバック画面

編集部:
全カリ英語の先生方のCriterionに関するご意見をお聞かせください。
飯島先生:
Criterionが指導サポートツールとして有用であることを示す反応をいただいています。教員アンケートでは「Criterionを導入する前と後で特に指導について大きく変わったことはないが、文法的な間違いや句読点、スペリングなど本当に細かいところの修正は完全に学生自身に任せられるようになった」という回答がありました。また、複数の先生方が、Criterionでも解決されないこと、つまり多くの学生が共通して間違える部分は、授業で取り上げることができるので、表面的な文法や語彙よりも、全体的な構造や内容に焦点を当てるフィードバックができるようになったと仰っていました。学生がCriterionからの指摘を鵜呑みにせず、自分でもしっかり考えて修正をする姿勢が身に付いてきた、という声もありました。

獨協大学・飯島優雅先生

編集部:
学生さんのCriterionに対する反応について教えてください。
飯島先生:
おおむねCriterionの利点を高く評価しています。約290人の学生1~3年生を対象としたアンケート結果では、9割を超える学生が「Criterionはあなたのライティング力向上に役立つと思いますか」の質問に、「とても思う・そう思う」と答えました。また「特に役立った点」は、「自分の文章力を再確認できた」「ミスした箇所、一つひとつにコメントがあるのが良い」「自分では気がつかない誤りが見つけられて改善できる」「色が付いていて分かりやすい」「文法などはWebで検索してもなかなか出てこないから、役立った」「頻繁にする自分のミスが分かった」などでした。自分だけでは解決できないことが分かるというのは良いですね。また自分では正しいと思って書いている箇所に、「ここを見直した方がいいですよ」と指摘がくることも有益のようです。書く時に忘れがちな項目の例として「とにかく冠詞の間違いが見つかって良かった」というコメントも多かったです。一方で、「Criterionの指摘について教員に説明を求めた、または求めたかった」項目は、主に「文法」や「スタイル」の誤りについてだということも分かりました。これはライティングハンドブックの活用や、教員からの明示的指導の必要性を示していると思います。
編集部:
Criterionの導入を検討中の先生方に向けて、アドバイスをいただけますでしょうか。
飯島先生:
まずは現行のライティング指導にどのような課題があるかを関係者の間で共有すると良いかと思います。そうしておくとCriterionがその問題解決に適したツールかどうか、客観的に検討できますし、導入後の使い方もはっきりしてきます。また、特にICT系の新しいことを始めようとすると、必ずどこかで導入と運用のために働いてくださる方が必要になります。運用を続けていくための組織づくりも必要かもしれません。まずは小さい規模で導入し必要に応じて徐々に利用を拡大するのでも良いと思います。本学の場合は、複数のライティング添削ソフトを検討しCriterionの利用を決めましたけれども、導入期は限られたクラスで試し、ライティング科目コーディネーター教員が授業資料を作成しました。2013年のCriterionリニューアルでインターフェイスが見やすくなり日本語サポートも増えたことから、その後数年かけて全てのライティングクラスに利用を拡大しましたが、これに伴い、学生のアカウント情報配布にも結構な工夫が必要になり、本学職員の協力を得て効率化してきました。資料作成ではCIEEさんにもご協力いただいています。利用クラスが増えたことで教員へのワークショップやサポートも必要に応じて実施しています。利用者の声を聞きながら、学内関係部署と連携し、より効率的なCriterion運用方法を求めて今も試行錯誤しています。本学の事例が参考になれば幸いです。

獨協大学・飯島優雅先生インタビュー
▲ 大学からほど近い、国指定の名勝地でもある草加松原

獨協大学・飯島優雅先生
  • 獨協大学経済学部経営学科 准教授
    飯島優雅先生プロフィール
  • 国際基督教大学教養学部語学科を卒業後、ニュージーランドVictoria University of Wellingtonにて英語教授法ディプロマ、米国Ohio Universityにて修士号(応用言語学)を取得。米国Colby College 東アジア研究学部講師、城西国際大学語学教育センター研究員、国際基督教大学英語教育課程講師などを経て、2005年に獨協大学に着任。専門領域は、英語教育学、教育工学。研究テーマは、学術目的の英語、外国語カリキュラム・教材開発、コンピュータを活用した協調学習など。
  • 獨協大学
  • 1964(昭和39)年、第三次吉田茂内閣の文部大臣を務めた天野貞祐博士を初代学長として埼玉県草加市に設立された私立大学。起源は1883(明治16)年設立の獨逸学協会学校。外国語・経済・国際教養・法律の4学部と大学院、研究所等の付属機関を擁する。「大学は学問を通じての人間形成の場である」という建学理念のもと、伝統である外国語教育を重視し、国際化・複雑化する社会に自ら考え、柔軟に対応できる人材を輩出している。
    Webサイト:http://www.dokkyo.ac.jp/
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