受験や留学を目標に英語を学んでいる人であれば、familiarという形容詞は易しい単語だと感じる人がほとんどでしょう。ところが、実際の用法については理解が不十分であることが多い単語です。そのような人はたいてい「『親しい』みたいな意味でしょ？」くらいのぼんやりとしたイメージにとどまっているようです。familiarには主に2つの明確に区別すべき意味があります。

1つは「人が何かを熟知している」という意味で、＜人 is familiar with 物・事＞という形で用います。例えば、You must be thoroughly familiar with the legal terms.ならば「法律用語を完全に押さえておかなければなりません」という意味合いです。「人」を主語にし、前置詞withで知識の対象を表すのがポイントです。

もう1つは「物・事が人にとってなじみがある」という意味で、＜物・事 is familiar to 人＞という形で用います。この用法ではbe動詞の代わりにsound ～（～のように聞こえる）/ look ～（～のように見える）などの動詞を用いることも多く、例えば、How come this melody sounds familiar to me? は「どうしてこのメロディーに聞き覚えがあるんだろう？」という意味です。また、この意味では名詞を前から修飾することも多く、It’s nice to be surrounded with familiar faces. であれば「なじみの顔に囲まれるのはいいものだ」という意味になります。

単語を学ぶ際には、その単語だけを切り出してなんとなく意味をイメージするのではなく、例文の中でしっかりと意味を確認するようにしましょう。

日本文の意味に合うように、次の文の［　　］に最も適する前置詞を入れましょう。

The word ‘familiar’ may look and sound familiar ［　　］ you, but you must make sure that you are thoroughly familiar ［　　］ the exact usage of the word.

（familiarという語には見覚えも聞き覚えもあるかもしれませんが、その語の正確な用法を完全に知っておくようにしましょう。）