ETS公認トレーナー直伝 TOEFL iBTテスト対策、ここがポイント!

2013.05.21

writing【対象レベル:全員】

第3回 TOEFL iBT® テストWriting対策 No.1
試験の目的、採点の仕組みなどを理解しよう

皆さんこんにちは。TOEFL®テスト対策は順調に進んでいますか?

三月末に、京都の同志社大学でTOEFLテストのセミナーを行う機会をいただきました。参加者は主に大学関係者でしたが、中学・高校の教員の方も結構いらっしゃって、今後ますますTOEFLテスト対策が留学だけでなく大学受験や教員の方々にとっても重要になっていくのだろうなぁ、と再認識しました。あと京都のおばんざいってやっぱり美味しい!ノーベル賞ものだ!と再認識しました(笑)。

さて今回はTOEFL iBT® テスト対策シリーズ連載第3回目です。今回はWritingについてお話していきましょう。Speaking同様、まずは概要から始めて、今後皆さんが対策を進めるにあたって注意すべき点などについて述べていきます。

では念のために、試験形式から確認しましょう。

1) Writingは本試験の一番最後

本試験はReading⇒Listening⇒休憩⇒Speaking⇒Writingの順に行われます。またWritingセクション内では、Integrated Task(ReadingとListeningを基にエッセイを書く)⇒Independent Task(与えられたトピックに対して自分の意見を述べる)の順に行われます。

まだ本試験を未受験の方のためにいっておきますが、ここで気を付けなくてはいけないのは、TOEFL iBTテストは昔のペーパー試験(TOEFL® PBTテスト)やその他の英語のテストのように、一斉に試験が開始されるわけではない、ということです。朝のチェックインの受付順に着席して、準備が整ってから各自のタイミングで始めるのです。それがWritingにどう影響するのか?

自分があまりに早くWritingを始めてしまうと、周囲の受験者がまだSpeakingの真っ最中である可能性があるわけです。そうすると、Writingの最初の課題はListeningが必要なIntegrated Taskですから、必要な情報を聞き取ろうとしている時に、周りの受験者の話す声によって集中力を乱される可能性もある、ということを覚えておきましょう。

だからといって遅れて会場に到着しろ、ということではないのですが、無理して焦って早く始める必要はないよ、ということです。もっとも、周りの声ぐらいでは乱されない集中力を鍛えることも大事ですよ。

2) 採点は人間とコンピューター

Speakingと違い、Independent writing Taskは人間の採点者とコンピューター(e-rater®と呼びます)によって採点されます。それぞれの採点には特徴があり(あまり細かい技術的なことに関しては深入りしませんが)、e-raterでは測れない部分、例えば言葉の有効的な使い方や、回答の内容の適切さ、アイディアの質、などを人間の採点者が見るようになっています。この違いを考慮した上でのWriting対策は、今後の連載でアドバイスしていくつもりです。

3) Independent Taskのトピック・形式に関して

出題されたトピックに対して30分で自分の意見を展開していきます。TOEFL® Official Guideをお持ちの方は読んだことがあるかもしれませんが、Independent Taskのトピックの例がOfficial Guideには含まれています。ここには様々な分野と形式のトピックが含まれていますが、最近の傾向としては二択問題、つまりDo you agree or disagree?系列のトピックが出題されています。ですから、Official Guideの中にあるWhat…?とかHow…?などのトピックに関しては心配せずに、agree/disagreeの形になっているトピックの対策を進めるほうがよいでしょう。また二択でも、Which do you prefer…?のようにpreference、つまり好みを問うトピックはWritingでは出題されなくなっています(ちなみにwhat/howやpreferenceを問うトピックはSpeakingのTask 1と2で問われますので、Speaking対策としてはネタ準備をしておくことは有効的です)。

4) Integrated Taskのトピック・形式に関して

Integrated Taskはアカデミックトピックで、Reading(3分)で提示されるトピック・主張に対してListening(2分程度)で議論します。そして20分でそれらの情報に基づきWritingを行います。ここでは自分の意見は求められず、あくまでもReadingの情報とListeningの情報の関係性についてまとめます。Readingのパッセージ(長文)は3分経つと一旦消えてListening中には読めません。が、Writingの時間が始まると、画面左側にまた表示されますので参照する事ができます。

5) タイピングに関して

手書きで書かせる他の試験とは違い、パソコンでエッセイを書くわけですが、皆さんのタイピングスキルはどうですか?社会人の方で、仕事でパソコンを使い慣れているという方は問題ないと思いますが、私が今まで教えた大学生は、ケータイばかり使っているのでパソコンのキータッチが遅い、という生徒が結構多かったですよ!ブラインドタッチを極めたりする必要はありませんが、これも留学生活の準備だと思って、今のうちにタイピングスキルを上達させておきましょう。

かといって、タイピング練習ソフトを購入したりする必要はありません。ではどうするのか?Official Guideなどに載っているTOEFLテストのサンプルエッセイを見ながら、ひたすらそれを自分でそのまま真似して打ち直すのです。そうすることによって、タイピングのスキルだけでなく、普段自分では使わないような表現、段落構成、アイディアの展開の仕方、なども同時に吸収する事ができます。

一つ落とし穴が!本試験会場では、日本式のキーボードではなく、アメリカ式のもの(QWERTY keyboardと呼ばれるもの)が使われます。何が違うかって?基本キーの配置は同じなのですが、記号などが微妙に違う所にあるので、初めての時は多少困惑するかもしれません。キー配列を示した表が各パソコンに置いてありますので、時間のある時に目を通しておきましょう。

6) 文字数に関して

最後に、結構多くの人が気になる文字数について簡単に説明します。本試験を受ける際には、Writingセクションの指示が画面に出ると、「目安としては大体このぐらいの文字数書いてね」と数字が出されます。

Independent Task = 300 words
Integrated Task = 150 – 225 words

自分がエッセイを書いているときには、画面右上に文字数カウンターが表示されますので、その時点で何語なのかわかるようになっています。

ここで覚えておいていただきたいのは、これらはあくまでも目安であり、絶対に守らなくてはいけない、ということではありません。今までに多くの生徒さんから「語数を増やすにはどうしたらよいか」と質問を受け、また多くの塾や教材で「語数を増やすマル秘テクニック!」みたいなことをやっています。ETSによると、採点者にはワード数は表示されず、あくまでも書かれたエッセイの内容を採点対象とするそうです。もちろん語数が多いほうがそれだけ内容も厚くなり、いろんな展開ができますが、内容が伴わないのに語数だけやたらに増やしても意味がありませんよね。また目安の語数に足らなくても高得点はでますし、足りているまたは超えているのに点数が伸びない、という場合もあります。あくまでも内容と文章のレベル次第だと思ってください。

いかがでしょう?Writingに関する大まかな理解はできましたか?今後はより細かく、気を付ける点や練習方法などを指示していこうと思います。

それでは宿題です。英語だけなのでちょっと読みづらいかもしれませんが、一度採点基準(Scoring Rubricsといいます)に目を通しておき、これができないといけないんだ、これは間違えてもいいんだ、というのを理解しておくと良いと思います。こちらから読めます(PDFファイルが開きます)。

それでは今回はここまでです。次回TOEFL iBT® テストListening対策 No.1  ノートテイキングについて―その1―)はListeningについてお話しますので、お楽しみに!

五十峰 聖先生
  • 五十峰聖先生
  • ETS Authorized Propell® Facilitator
    ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
  • 桜美林大学 芸術文化群 特任講師
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