ETS公認トレーナー直伝 TOEFL iBTテスト対策、ここがポイント!

2014.12.24

speaking【対象レベル:初級・中級】

第22回 TOEFL iBT® テストSpeaking対策 公開添削指導②
Speaking Independent Task

皆さんこんにちは。いよいよ年末年始の季節ですね。特に日本のクリスマスは商業的でうるさくてあまり好きではありません(去年も同じようなことを書いた気がします・・・笑)。アメリカも騒々しいのは変わりませんが、それでもまだ family-oriented という意味では、恋人中心の日本よりは良いのかもしれませんね。スコアを上げる必要がある人は、周囲に流されることなく目標を見据えて頑張りましょう!

さて今回も「Speaking公開添削指導」を続けていきます。前回登場していただいたユイさん(10代女性、学生)に新しい課題に挑戦してもらいました。それではその様子をしっかりと見て、少しでも皆さんのスピーキング学習に役立ててください。

学習者のご紹介

今回の相談者:医学部1年生 女性
  • 大学1年生 ユイさん(仮名)
  • <現在の英語力>
    高校2年生時に英検準2級を取得。TOEICテストの最高スコア635。TOEFL iBTテストは未受験。
    <TOEFL iBTテストを受験する理由>
    大学の留学制度を使って留学をしたい。それによって英語力を高めるのと、世界を知ることでより広い視野を持ちたい。
    <今までのSpeakingの学習状況はどうか>
    学校の授業では話すことを目的としているため、文章が論理的に組み立てられない。また、ただ単語を並べるだけになってしまっている。
    <TOEFL iBTテストの学習で困っている点や悩んでいる点>
    英語力も高くなく、独学で行っているのでどのように勉強すれば良いかという点。特にスピーキングは限られた時間の中で行うためパニックになってしまう。

学習者からの質問

前回の添削の時に、ユイさんから質問がありました。

Q1
① 主張したいことが37秒ぐらいで終わってしまった時はどうすればいいの?
② 間違えた時はどうすればいいの?もう一度言い直していいの?
③ 本番の時は15秒程で言うことを決めないといけないのに、いつも考える時間が
  足りない。どうすればいいの?

なるほど。これらは多くの学習者が持っている疑問かもしれませんね。よくぞ訊いてくれました。
以下、答えましょう。

  • ①37秒で終わる事自体は減点などではありません。それまでに内容がぎっしり展開されていれば
      OKです。言いたい事を充分に言ったのであれば、無理して45秒を埋める必要はありませんよ。
  • ②言い直しは全然問題ありません。言い直す事自体も減点はありませんので、気がついたら、
      “I mean, …”などのカジュアルな口語表現で普通に言い直してOKです。
  • ③実際にはトピックが画面に現れて、ナレーターがそのトピックを読み上げます。
      その時点から準備時間が始まると思ってください。その後に15秒なので、実際には合計
      30秒ぐらいあるのではないでしょうか。30秒あると考えると、それなりに準備できますよね。
      またスピーキングでもメモ取りができますので、その際に箇条書きで話すアイディア、理由など
      を簡単に記すぐらいでいいでしょう。あとはなるべく多くのトピックをこなす必要があります。
      実際に話す必要はありませんが、30秒以内におおまかな構成をパッとイメージし、メモを取れる
      準備をしましょう。

出題Taskとポイント

さて今回はTask 2、Independent Taskを出題しました。トピックは以下の通りです。

Topic
“Some people believe that the high schools should teach music and art as much as basic science.
Other people think that providing music and art education for high school students is not necessary. What is your opinion and why?”
(準備時間:15秒、解答時間:45秒)

気をつけるポイント

  • 1.対象が誰なのか、を意識する
      今回は対象人物が high school students ですね。ですから高校生にとっての
       music and art そして basic science の意義を考えなければいけません。
       またもし対象人物がcollege students だったとしたら答えも変わってくるでしょう。
      このようにトピックで指定されている人物があるのか、またその場合はどの年齢層なのか、
      などを考慮した上で解答を変えましょう。
  • 2. basic scienceとはなにか
      おそらく大体のイメージは湧くと思います。学術的な定義はもちろんあると思いますが
      ここでは気にせず、高校で教えられている science と解釈すればよいでしょう。一般的に
      は biology, chemistry, physics, geology あたりと考えればよいでしょう。
  • 3. as much as に注目する
      「同じぐらいに」という事ですね。つまり理系科目を週10時間教えるとしたら、
      音楽・美術も週10時間授業を行う、といったことです。

読者の皆さんもよかったら本番のつもりで、各自45秒で話して録音してみてはいかがでしょうか。

1回目提出とフィードバック

このトピックでユイさんに1回目の録音を提出していただきました。録音にあたっては初回の録音でもよいし、数回練習してからでもよいとの指示を出しました。

ETS公認トレーナー直伝 TOEFL iBT® 対策、ここがポイント!:ユイさん音声
ユイさんの1回目の提出
 左のアイコンをクリックして、ユイさんの1回目の解答を聞いてみましょう。
*Sound Cloudに移動します。左のアイコンをクリックするとすぐに音声が流れます

これに対する私のフィードバックです。

  • <Topic Development>
  • ・Choice を与えられた際、何の教科を選んだのか、どれくらい学んだのかを明確に言う。
  • ・問題点を述べる(人数が多い、など)。
  • ・トピックを見直す。science と as much as の要素が抜けているのでそれに
     触れるようにする。
      例:受験に music and art は必要ないが、science は関係あるから、など。
  • <Language Use/Grammar>
  • ・“We had to choice” → “We had to choose
  • ・“In my high school, before entering high school”
      間違いではないが high school が繰り返されているので、before 以降を後に持って
      くる方がバランスが良い。
      (In my high school, we had to choose A, B, or C before entering high school.
  • ・“It is decided how many people can learn…”
      高校時代の話なので “It was decided how many people could learn”と
      過去時制にすべき。
  • ・“some don’t like the choice” → “some didn’t like the choice”
  • ・“I learned it for one year, but it is not make a sense.”
      itが何を指すのかわからない。また it did not make sense とすべき。
  • ・“I think learning for long time, but for one year, helps them to acquire true ability.”
     →“I think learning for a long time helps students to acquire abilities, but not
     just one year.”
  • <Delivery>
  • ・強調を効果的に使う。「必要ない」を伝えたいわけなので、“…is NOT necessary”を
     イントネーションを上げて。
  • ・Necessary の発音をしっかりと復習。Ne-ce-ssary.
  • ・“It is decided how many people can learn…”
      decided のあたりが聞き取りづらいのでハッキリと。
  • ・“whether they want to learn…”のあたりが聞きづらい。
  • ・全体的にまだまだハッキリが足らない。遠慮せずに自信を持って大きく口を開けて!

2回目提出とフィードバック

ユイさんの2回目の提出です。どれくらい改善されているでしょうか。

ETS公認トレーナー直伝 TOEFL iBT® 対策、ここがポイント!:ユイさん音声
ユイさん2回目の提出
 左のアイコンをクリックして、ユイさんの2回目の解答を聞いてみましょう。
*Sound Cloudに移動します。左のアイコンをクリックするとすぐに音声が流れます

どうでしょう?だいぶ improve したのがおわかりですか?
これに対しての私のフィードバックです。

  • <Topic Development>
  • ・最後、無理に conclusion を入れる必要はない。
  • ・むしろその時間を他の説明に廻すべし。なぜ音楽を1年学ぶだけではダメなのか、
     などをもっと説明すべきだった。
  • <Language Use/Grammar>
  • ・ Higher school とはあまり言わない。Better school の方が一般的。
  • ・ “It didn’t make sense, only for one year.” → “It didn’t make sense to learn it only
     (just)for one year.”
  • <Delivery>
  • ・Majorの発音。「メジャー」ではなく「メイジャー」と発音する。
  • ・Higher school が higher score に聞こえる。スクールの「―」をしっかり伸ばして。
  • ・Furthermore のアクセント注意。しっかりと伸ばして。

ミスも減り、内容も良くなりましたね。1回目に比べて science との比較も入り、わかり易くなりました!

2.次回までの課題

では皆さんに宿題です。次回扱う Speaking Independent Task のトピックを記しておきますので、各自で録音練習を行ってみてください。

Topic
“Some college students choose to take courses in a variety of subject areas in order to get a broad education. Others choose to focus on a single subject area in order to have a deeper understanding of that area. Which approach to course selection do you think is better for students and why?”
(準備時間:15秒、解答時間:45秒)

それでは新年にお会いしましょう。今年もTOEFL Web Magazineをご愛読いただいてありがとうございました。来年も引き続き一緒に学習していきましょう。Happy Holidays!

次回(第23回 TOEFL iBT® テスト Speaking対策 公開添削指導③Speaking Independent Task)もお楽しみに!

五十峰 聖先生
  • 五十峰聖先生
  • ETS Authorized Propell® Facilitator
    ETS TOEFL ITP® Teacher Development Workshop Facilitator
  • 桜美林大学 芸術文化群 特任講師
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