達セミに学ぶ 英語学習のヒント

全国の熱血教師による授業に学ぶ英語学習方法伝授

島根県立松江東高等学校/緒方孝先生
  • 島根県立松江東高等学校
  • 緒方孝先生
今回のヒント
あなたの“勝負学習環境”を作ろう(&エアロバイク英語学習法)

1.オトナの勉強はツラい

大人になるほど、継続して学習に取り組むのは難しくなるものです。学生時代は、当たり前だった「机に向かうこと」が、「こんなに困難なことだったのだ」と改めて気づかされます。強制というプレッシャーがなく、スマホなどの誘惑に溢れている現代の社会に暮らす大人が、勉強を地道に続けていくことは極めて難しいことです。
結局、意識的に「学習しなければならないという環境に自分を追い込む」ことなしには強靭な精神の持ち主でもない限り勉強などできないものなのです。今回はその一例として私が実践している「有酸素運動+英語学習」を紹介します。

2.有酸素運動+単語学習

私がスポーツジムに通い出した頃の話です。通常エアロバイク(フィットネスバイク)などの有酸素運動を30分程度した後、筋トレをするのですが、変化のない有酸素運動は退屈極まりませんでした。最初はジムに置いてある雑誌やテレビを見ていたのですが、ある時「この30分を英語の勉強に使えないだろうか?」と考えました。そこで、ある単語集とその音声CD、ヘッドホンステレオをジムに持ち込みました。そして、エアロバイクを漕ぎながら単語集を見てCDに合わせて小声で音読し、毎日100語を覚えることを目標にしました。「日本語訳」の部分を手で隠して意味が言えるようになるまで、音読を繰り返します。全て暗記した頃には、ちょうど30分くらい経過しており、300kcalも消費しています。このやり方で私は1か月で2000語以上を暗記することができ、ダイエットにも成功しました。「面倒くさい有酸素運動」と「面倒くさい単語学習」を組み合わせることで、英語力だけでなく、健康も手に入れました。まさに、「マイナス×マイナス=プラス」の法則です。

3.周囲の目を気にするな!味方につけろ!

有酸素運動の時間は、英会話教材などを音読してスピーキング練習をするチャンスでもあります。ジムで英語を話すのが恥ずかしいですって?周りもうるさいので誰も気にしていません。常連と仲良くなって、正直に英語を勉強したいという旨を伝えれば良いのです。ジムで身体を鍛えようとしている人は、勉強でも運動でも他人の本気を笑う人はいません。かえってそのような人たちに囲まれていると、学習モチベーションも上がります。

4.“勝負学習環境”は一生の宝

中高生のスマホの平均使用時間は年々増えています。今や家庭は勉強に集中できる場ではありません。「普通の」高校生は自室の机で勉強に集中できません。でも、誰にでも必ず自分に合った「弱い自分を追い込む」方法はあるはずです。散歩中、入浴中など退屈で他にすることがない時間は誰にでも存在します。そして、学校、家庭以外の“勝負学習環境”を見つけたら、それは一生の宝となります。こういった指導も今求められているのではないでしょうか?

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