達セミに学ぶ 英語学習のヒント

全国の熱血教師による授業に学ぶ英語学習方法伝授

鹿児島県立甲南高等学校/有嶋宏一先生
  • 鹿児島県立甲南高等学校
  • 有嶋宏一先生
今回のヒント
単語を自然に学ぼう

1.はじめに

ライフハッカーを読んでいたら、次の文章に目が止まりました。「ハーバード教育大学院のNonie Lesaux教授によれば、子どもがある言葉とその意味を理解するには、その言葉を13~15回、タイミングと文脈を変えて見聞きする必要がある」。原典にあたったところ、確かに単語の意味を深く理解するためには、12~14回出会う必要があると書いてありました(ちょっと数字が違いますが、ご愛嬌ということで)。

2.じゃあ、どうしよう?

では単語に多く出会う方法は?となります。私の経験では、生徒たちが語彙や内容を深く習得するのは、ディベートの時が多いです。ディベートでは、同じトピックについて何度も読んだり話したりすることが多いのです。でも、普段は英語でディベートはあまりしないですよね。でも大丈夫。同じようにして学ぶ方法があります。それは結構目にすることが多くなったSDGsを扱ってみることです。

国連のWebサイトを見ると、SDGsの17の目標についてコンパクトにまとめられたPDF(Why the SDGs matter)が載っています。それを読むと、各目標のキーワードが満載なので、重要な語彙に自然と触れることができます。例えば、いま授業で扱っている目標4の教育では、"gender equality"や"the cycle of poverty"などの重要表現が出てきます。さらに、SDGsでは目標達成を数字で判断するので、"declined from 40% to 22%"などと、数値変化についての表現もよく出てきます。また画面右に配置されてある各目標の説明ページへのリンクを辿れば、関連するニュース等があり、もっと同じトピックについて触れることができます。実は、この活動の目的は何度も同じ語に出会うことなのですが、語彙学習を意識しなくても、内容に興味を惹かれて読んでいるうちに「あ、この単語さっきも見た」と感じることが多くなります。生徒も授業である教育に関連するNPOについて学んだ後に目標4の"Why it matters"を読んで、授業で習った単語が多いことに驚いていました。同じトピックでは同じキーワードが出てきやすいんですよね。

さらに学んだことや知ったことを、SNSに書いてみるのも良い方法です。あとはWorld Economic Forum(WEF)にも関連した記事が多く載っていますので、WEFをフォローしたりすると、同じ語に自然と出会う回数が多くなります。WEFはわりと易しめに書かれていることが多いので、これもおすすめです。以上、単語を自然と学ぶヒントでした。

 

  • 鹿児島県立甲南高等学校
    有嶋宏一先生 プロフィール
  • 鹿児島県立甲南高等学校教員。進路指導部主任。兵庫教育大学教育研究科修士課程修了(山岡俊比古ゼミ)。「自分が話したいことを英語で話せる」生徒の育成と「楽しく力を付ける」英語授業を目指しています。趣味はプログラミング。最近では、『平成30年版 学習指導要領改訂のポイント 高等学校 外国語(英語) 』明治図書/向後秀明編著に寄稿しました。
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